プロスペクト Research Memo(5):2021年3月期通期の予想は未定

配信元:フィスコ
投稿:2020/12/14 15:15
■今後の見通し

1. 2021年3月期の業績見通し
(1) 業績予想
プロスペクト<3528>は、今後のコロナ禍の影響が不透明であることから、2021年3月期の連結業績予想を適正かつ合理的に行うことが困難であると判断し、発表を見送っている。今後、業績予想の開示が可能となった段階で、速やかに開示するとしている。

ただし、事業環境としては、コロナ禍により遅れていた販売済みマンションの引渡しや新規物件の販売が下期には進むこと、連結子会社の業績が寄与することなどから、下期業績は上期を上回る可能性が高いと思われる。また世界的に株式市場が回復していることから、投資有価証券に対してこれ以上の評価損を計上する可能性は低いと思われる。

(2) 配当予想
業績予想と同様に2021年3月期の予想配当も未定としている。

2. 新事業の進捗状況
同社では次の再生可能エネルギー事業として、日本国内における太陽光発電事業に続き、ロシアにおいてバイオマス燃料(木質ペレット)製造事業への進出を公表している。ロシアのRFP(Russia Forest Products)グループと合弁会社RFP Wood Pellets(以下、RFP WP、同社の持分法適用子会社)を立ち上げ、RFPグループが所有する木材製材工場から排出されるおが屑等を原料とする木質ペレット製造工場を同工場の隣接地に建設し、その木質ペレットを日本のバイオマス発電所の燃料として輸出しようというものである。顧客は主としてFITを利用するバイオマス発電所を想定している。

現在の進捗状況としては、ロシア連邦ハバロフスク地方アムールスクにおいて建設を進めていた工場が2020年2月に竣工したのに続き、同年3月にはRFP WPが木質ペレットに関わる長期供給契約(最短12年間)をENGIE ENERGY MANAGEMENT SCRL(以下、ENGIE EM)(フランス)と締結した。この契約は、極東ロシアから日本への長期かつ安定的なバイオマス燃料供給に資する初めての取引であり、RFP WPとENGIE EMは日本のバイオマス燃料市場への新たな供給ルート開拓を目指している。

このプロジェクトは2020年2月に工場の主要設備が完成後、ロシア国内におけるコロナ禍の拡大及び他国からの入国制限等のやむを得ない事情により、試運転及び第三者機関による品質検査に遅れが生じていたが、同年9月には欧州圏からロシア国内に技術者が渡航可能になったこと等を受けて試作品の製造を開始、また、第三者機関(名称:JSC Bureau Veritas Rus)が実施した品質検査で優良な評価結果を得た。RFPWPではこの検査結果を受け、正規販売前のキャッシュ・フローに貢献するために、小口の需要に対応するスポット販売先を探していたが、今回初めてスポット販売契約を締結した。今後もスポット販売先を開拓していくと同時に、2021年4月から始まるENGIE EMとの長期供給契約に基づく正式販売までに製造処理の工程で最善の品質コントロールを行い、2022年3月期の6万トン販売利益計画及び将来的な13.5万トンの製造販売を目指し、需要に応じて工場を拡大するなど、今後も再生可能エネルギー事業に注力していく方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)


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