■業績の動向
3. 2021年3月期の業績見通し
サンワテクノス<8137>の2021年3月期の業績は売上高で前期比5.8%減の130,000百万円、営業利益で同2.5%減の1,800百万円、経常利益で同2.1%減の2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.4%増の1,400百万円と2020年7月に発表した計画から各利益を上方修正した。既述のように、想定以上に販管費の削減効果が出ていることが要因だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響による景気の先行きについては、依然不透明な状況であることに変わりないが、医療体制が整備されたこともあり4−5月のように企業活動が大幅に制限されるような状況に再び陥る可能性は低いと見ている。
同社においては、引き続き半導体関連業界の受注が回復傾向にあるほか、FA・産業機器業界の工場自動化に伴う設備投資増、国内自動車生産回復に伴う車載電装品の回復、新型コロナウイルス関連商材の受注拡大などが見込まれており、下期は対上期比で1割程度の増収となる見通しだ。地域的には、中国向けの受注が引き続き増加傾向にある。新型コロナウイルス感染症対策も初動段階で徹底して実施したことによりうまくいっているようで、景気もいち早く回復トレンドに入っている。なかでも自動車業界については生産が4月以降、回復に転じており、9月も前年同月比で14.1%増と好調に推移していることから、設備投資の動きも活発化してきたようだ。
また、半導体業界の設備投資についても、データセンターや5G向けの需要拡大を背景に、2020年度は前年度比1割程度の増加が見込まれており、同社の受注も同様に堅調に推移している。自動車(車載)についても9月に前年同月並みの水準まで受注が回復しており、下期は堅調に推移する見通しとなっている。新型コロナウイルス関連商材では空間除菌消臭装置「エアロピュア」の受注がバックオーダーを抱えるほど好調で、通期で数千万円程度の増益要因になるものと期待される。
下期の売上高が上期比で1割増を見込む一方で、営業利益については上期並みの水準で計画している。通常であれば増収効果で営業利益も増加するが、新型コロナウイルス感染症の影響が不透明なことから、利益ベースでは保守的に計画したものと思われ、売上高が計画どおり推移すれば、第2四半期累計業績と同様、利益ベースでは計画を若干上回る可能性が高いと弊社では見ている。下期の販管費の見通しとして、テレワーク化率が直近で20%程度となっており、顧客への訪問営業も相手先によって再開している。このため、交通費は上期比で若干増加する見込みだが、海外出張や展示会の出展については下期も計画しておらず(Webセミナーを開催)、経費節減策も引き続き取り組んでいく方針となっていることから、上期比では若干の増加にとどまるものと予想される。
なお、海外売上高は為替レート110円/米ドルを前提に前期比0.9%減の40,199百万円、売上構成比で30.9%(前期は29.4%)を見込んでいる。北米向けが減少する一方で、中国やその他アジア向けの売上高の増加を見込んでいる。その他アジア向けではグローバルSCMソリューションで大型案件を受注しており、下期の増加が見込まれている。円高による通期業績への影響額は、売上高で約4億円、経常利益で約3千万円だが、一部はリスクヘッジのため為替予約を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
<EY>
3. 2021年3月期の業績見通し
サンワテクノス<8137>の2021年3月期の業績は売上高で前期比5.8%減の130,000百万円、営業利益で同2.5%減の1,800百万円、経常利益で同2.1%減の2,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同4.4%増の1,400百万円と2020年7月に発表した計画から各利益を上方修正した。既述のように、想定以上に販管費の削減効果が出ていることが要因だ。新型コロナウイルス感染拡大の影響による景気の先行きについては、依然不透明な状況であることに変わりないが、医療体制が整備されたこともあり4−5月のように企業活動が大幅に制限されるような状況に再び陥る可能性は低いと見ている。
同社においては、引き続き半導体関連業界の受注が回復傾向にあるほか、FA・産業機器業界の工場自動化に伴う設備投資増、国内自動車生産回復に伴う車載電装品の回復、新型コロナウイルス関連商材の受注拡大などが見込まれており、下期は対上期比で1割程度の増収となる見通しだ。地域的には、中国向けの受注が引き続き増加傾向にある。新型コロナウイルス感染症対策も初動段階で徹底して実施したことによりうまくいっているようで、景気もいち早く回復トレンドに入っている。なかでも自動車業界については生産が4月以降、回復に転じており、9月も前年同月比で14.1%増と好調に推移していることから、設備投資の動きも活発化してきたようだ。
また、半導体業界の設備投資についても、データセンターや5G向けの需要拡大を背景に、2020年度は前年度比1割程度の増加が見込まれており、同社の受注も同様に堅調に推移している。自動車(車載)についても9月に前年同月並みの水準まで受注が回復しており、下期は堅調に推移する見通しとなっている。新型コロナウイルス関連商材では空間除菌消臭装置「エアロピュア」の受注がバックオーダーを抱えるほど好調で、通期で数千万円程度の増益要因になるものと期待される。
下期の売上高が上期比で1割増を見込む一方で、営業利益については上期並みの水準で計画している。通常であれば増収効果で営業利益も増加するが、新型コロナウイルス感染症の影響が不透明なことから、利益ベースでは保守的に計画したものと思われ、売上高が計画どおり推移すれば、第2四半期累計業績と同様、利益ベースでは計画を若干上回る可能性が高いと弊社では見ている。下期の販管費の見通しとして、テレワーク化率が直近で20%程度となっており、顧客への訪問営業も相手先によって再開している。このため、交通費は上期比で若干増加する見込みだが、海外出張や展示会の出展については下期も計画しておらず(Webセミナーを開催)、経費節減策も引き続き取り組んでいく方針となっていることから、上期比では若干の増加にとどまるものと予想される。
なお、海外売上高は為替レート110円/米ドルを前提に前期比0.9%減の40,199百万円、売上構成比で30.9%(前期は29.4%)を見込んでいる。北米向けが減少する一方で、中国やその他アジア向けの売上高の増加を見込んでいる。その他アジア向けではグローバルSCMソリューションで大型案件を受注しており、下期の増加が見込まれている。円高による通期業績への影響額は、売上高で約4億円、経常利益で約3千万円だが、一部はリスクヘッジのため為替予約を行っている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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