使用済紙おむつリサイクルシステムの普及を目指して

配信元:PR TIMES
投稿:2020/11/05 14:19
~高吸水性樹脂の新規リサイクル技術を開発~


株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、社長:五嶋 祐治朗、以下「日本触媒」)と株式会社リブドゥコーポレーション(本社:大阪市中央区、社長:久住 孝雄、以下「リブドゥコーポレーション」)、トータルケア・システム株式会社(本社:福岡県福岡市、代表取締役:長 武志、以下「トータルケア・システム」)の3社は、使用量が増加し続ける紙おむつをリサイクルするシステムの普及を目指し、様々な技術開発に取り組んでいます。今般、3社は、使用済紙おむつ中の高吸水性樹脂(以下SAP)に関する新規リサイクル技術を開発しました。この技術は、世界で流通している様々なSAPに適用できるものです。

2015年の国連サミットにおいて、持続可能な開発のための2030アジェンダが採択され、2030年を期限とする17の持続可能な開発目標(SDGs)と169のターゲットが定められました。使用済紙おむつの再生利用等は、SDGsに対して様々な形で寄与、貢献できるものとなります。

国内において、環境省では2020年3月31日、「使用済紙おむつの再生利用等に関するガイドライン」を公表しました。また国土交通省においては、新下水道ビジョン加速戦略に基づき下水道への紙おむつ受入れのためのガイドライン策定を目指しています。これらのように使用量が増加し続ける紙おむつについて、リサイクルの促進が期待されています。

トータルケア・システムは、世界的にも例が少ない紙おむつのリサイクルシステムを国内ではじめて構築し、事業開始から15年が経過しています。紙おむつは主に紙パルプ、プラスチック、SAPで構成されており、同社ではリサイクル処理後の再生パルプは建築資材の原料(外壁材、内装材等)として有効利用し、プラスチックは固形燃料としてサーマルリサイクルしていましたが、現在マテリアルリサイクルの研究開発を進めています。

このたび、課題として残っていたSAPのリサイクルに関して、SAPで世界1位のシェア(生産量※)の日本触媒が2018年より取り組みに参加、リサイクル技術の検討を開始し、大人用紙おむつメーカー大手のリブドゥコーポレーションとトータルケア・システムの3社による共同研究により、新規リサイクル技術の開発に成功しました。
※2019年日本触媒調べ

■使用済紙おむつからの再資源化

これまで使用済紙おむつのリサイクル工程においては、尿を吸収して大きく膨らんだSAPは紙パルプの回収率を低下させたり、あるいはSAPを回収しても性能低下が大きく再利用が難しい、という課題がありました。
これらの課題に対し、以下の技術を3社協力のもと開発致しました。
・尿を吸収して大きく膨らんだSAPに処理を施して紙パルプとの分離性を高め、紙パルプ回収率を
向上させる技術
・SAPの性能低下を最小限に抑えて回収する技術
この技術はリサイクル時の省エネルギー化や河川等の水質保全も配慮した技術となっています。また、日本触媒製造の全SAPに適用できるのはもちろん、世界中の様々なSAPにも適用できる技術です。
今後は本技術を実用レベルまで高めていくとともに、素材原料メーカー、紙おむつメーカー、リサイクル事業者である3社が協力して、リサイクルしやすい素材開発、紙おむつ開発、環境にやさしい使用済紙おむつ新規リサイクル技術の開発・実用化を進める計画です。

■3社の役割




日本触媒について:
1941年の創業以来、自社開発の触媒技術を核に事業を拡大。酸化エチレンやアクリル酸、自動車用・工業用触媒などを世の中に送り出し、現在では紙おむつに使われる高吸水性樹脂でトップクラスのシェアを誇っています。日本触媒は「テクノロジー(技術)」を通じて「アメニティ(豊かさ)」を提供する、という企業理念「TechnoAmenity」のもと、グローバルに活動する化学会社です。
https://www.shokubai.co.jp

リブドゥコーポレーションについて:
介護(care)と治療(cure)の両域において、一人ひとりの「生きる力を応援する企業」として事業を展開。 介護の領域、ライフケア事業では、「リフレ」ブランドで大人用紙おむつの製造販売をしており、 施設・病院向けの業務用分野において国内トップクラスのシェアを誇っています。
また、治療の領域、メディカル事業では、病院の手術室で使用される手術用キットの製造販売をしており、近年シェアを高めています。
紙おむつのリサイクルを目指すという思想に共感し、トータルケア・システム社に出資し、現在まで様々な技術的な支援を継続しています。
https://www.livedo.jp

トータルケア・システムについて:
2004年、福岡県大牟田エコタウン内に水溶化処理による紙おむつリサイクルプラント「ラブフォレスト大牟田工場」を竣工し、2005年より事業を開始。世界的にも例が少ない紙おむつのリサイクルシステムを国内ではじめて構築。現在、「完結型マテリアルリサイクルシステム」によるモデルプラント建設を目指し、凸版印刷株式会社、住友重機械エンバイロメント株式会社との協業を開始しています。
http://www.totalcare-system.co.jp

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