NYコラム(29日)ダウ平均は底固い取引スタートへ−米7-9月期GDPは市場予想を上回る回復

著者:加藤裕一
投稿:2020/10/29 21:54

NY株式市場(29日)前日までの急落から一旦リバウンドを試す展開か⁈−取引終了後のGAFA決算に注目

29日のニューヨーク株式市場でダウ平均は底固い寄り付きを迎えそうだ。

ダウ平均は寄り付きで前日までの4日続落で1800ドル以上下落した反動から短期的なリバウンド狙いで下値を拾う動きも期待されよう。

取引開始前に発表された7-9月期GDP速報値は、前期比/実質年率で33.1%増と市場予想(前期比/実質年率32.0%増)を上回る回復となったほか、同じく取引開始前に発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は75.1万件と市場予想(77.0万件)を下回ったことは相場の下支え要因となろう。

ただ、前日の急落要因となったアメリカとヨーロッパでの新型コロナウイルスの感染再拡大に対する警戒感は根強い相場環境だ。フランスでは30日から全土で外出が制限されるほか、ドイツでも来月2日から飲食店などの営業禁止が打ち出されている。アメリカでも新規感染者数などの増加傾向に歯止めが掛かっていないことから、アメリカ景気の先行き不安は払拭できていないのが現状だ。

本格化している主力企業の決算発表では29日の取引終了後にアップルやアマゾン、フェイスブック、グーグルの決算発表を控えていることから業績内容を見極めたいとの姿勢が高まりやすいだろう。

ダウ平均は前日の大幅安で一目均衡表上の雲の抵抗帯を一気に下抜けした。この結果、9月3日(2万9199ドル)と10月12日(2万8957ドル)の日中高値でダブルトップを形成しているダウ平均は、チャートの悪化が顕著となっている。29日のリバウンド局面では、前日の下げ幅(943ドル)の3分の1戻し水準(2万6833ドル)が目先的な戻りのめどとなりそうだ。一方でダウ平均が取引時間中に戻りきれなければ、引き続き200日移動平均線(2万6226ドル)を強く意識することも想定しておきたい1日なる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想