ジョンソン首相は強硬姿勢崩さずも、交渉継続でひとまず安心感=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/10/17 04:02
 NY時間の終盤に入って、ポンドドルは1.29ドル台前半、ポンド円は136円台前半での推移となっている。本日のEU首脳会議を受けたジョンソン英首相の声明を受けて、ロンドン時間のポンドは激しく上下動していた。しかし、どちらか一歩方向に進むこともなく、ポンドドルは1.29ドル台で落ち着いている。

 ジョンソン英首相は英国がEUと合意できる可能性は低いと判断し、「合意なしにEUの単一市場と関税同盟を離れる準備をする」と言明した。この発言にポンドは急速に売られたが、交渉継続の道は閉ざしておらず、「EUの担当者がアプローチを根本的に変化させて交渉に戻ってくるのであれば、いつでも耳を傾ける用意がある」とも述べた。市場も、ある程度予想していた結末ではあったものの、交渉継続が確認できたことで、ひとまず安心感が広がっている模様。 

 ジョンソン首相は「EUは英国に対し、カナダと同じ条件を提示する意思がない」とし、「何ら変化なければ、オーストラリア型合意を目指す」とも述べていた。

 なお、過去にEUとオーストラリアは、貿易障壁を減らすためのフレームワークでは合意したものの、現状ではWTOのルールが採用されている。WTOルールはあくまで、貿易に関する一般的ルールで、貿易協定を結んでいない場合に適用されることから、今回の場合は「合意なき離脱」を意味し、英国とEUの貿易には通常通りに関税が設定され、税関検査も導入される。

GBP/USD 1.2930 GBP/JPY 136.28 EUR/GBP 0.9066

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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