NY株式市場(15日)新規失業保険申請件数は89.8万件に増加−NY連銀製造業景況指数は市場予想を下回る
15日のニューヨーク株式市場でダウ平均は急落して取引が始まりそうだ。
新型コロナウイルスの感染拡大第2波の到来でイギリスやフランス、ドイツで外出規制などが相次いだことから、ヨーロッパ株式市場がほぼ全面的となっている。
ヨーロッパでは、新規感染者数が急増したことから再び世界の感染拡大の中心地になりつつある。イギリスでは、今週末からロンドン市内で感染者数が多いエリアを部分的にロックダウンするほか、フランス・パリでは午後9時から翌午前6時までの外出が原則禁止となった。1日当たりの感染者数が再び過去最高を記録したドイツのメルケル首相は14日に感染リスクの高い地域でのマスク着用義務の拡大などを盛り込んだ新たな対策をまとめたばかりだ。
時間外で取引されているダウ平均先物は、日本時間の夕方から始まったヨーロッパ株の下落を嫌気して下げ幅を拡大。下落幅は一時400ドルを超えて、節目の2万8000ドルに接近する場面が見られた。
15日の通常取引でダウ平均は、寄り付きからリスクオフムードが広がりそうだ。アメリカ国内では、追加景気対策をめぐる与野党協議が暗礁に乗り上げ大統領選挙前の成立が困難な状況に陥っていることから景気回復期待が後退しているところに、欧州発のコロナ感染第2波に対する警戒感が重なりリスク回避の動きが顕著となりそうだ。
このほか、取引開始前に発表された先週分の新規失業保険申請件数が89.8万件と市場予想(83万件)を大きく上回ったほか、10月のニューヨーク連銀製造業景況指数は10.5と市場予想(14.0)を下回ったことも下押し要因として意識されよう。
ダウ平均は、下値を探る局面で一目均衡表上の雲の上限=先行スパン1(2万8115ドル)や転換線(2万8170ドル)に見にいくことになりそうだ。雲の抵抗帯の上限に当たる先行スパン1を割り込んで、いわゆる「雲入り」してもおかしくないだろう。
ダウ平均の目先的な下値サポート・ラインは節目の2万8000ドルで、大台割れからの深追いはしにくいのではなかろうか。15日のニューヨーク株式市場は、ボラティリティーの高まりやすいことからポジション管理と資金管理に細心の注意が求められる1日となる。
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