NY株式市場(14日)英アストラゼネカがワクチン治験を再開−15日から始まるFOMCの結果内容に注目
14日のニューヨーク株式市場でダウ平均は買い戻しが先行して取引が始まりそうだ。
注目されていたTikTokのアメリカ事業売却問題はオラクル買収で決着がつきそうだ。有力候補と見られていたマイクロソフトに競り勝ったもので、米中両政府の最終的な承認が得られれば、交渉が成立するという。通商交渉問題からハイテク分野まで先鋭的な対立が続いていた米中関係に対する警戒感が後退しそうだ。
同じくハイテク株では、エヌビディアが英半導体設計大手のアームをソフトバンクから買収すると発表。大型買収案件では新型コロナウイルスのワクチン開発で注目されているギリアド・サイエンシズが同業のイミュノメディクス買収を発表していることから、14日のニューヨーク株式市場は、月曜日に大型買収・合併が相次ぐ「マージャー・マンデー」で週明けを迎えることになる。特に大型買収が相次いだIT・ハイテク株には、押し目買いが入りやすいだろう。ダウ平均もハイテク株高に連れるかたちで取引開始となりそうだ。
同時に新型コロナウイルスのワクチン開発をめぐっては、英アストラゼネカが、一時中断していた最終段階にある臨床試験を再開したことから、世界的なワクチン開発の遅れに対する懸念が後退していることもダウ平均の追い風となろう。
ただ、ダウ平均は寄り付きで再び上昇余地を探ったあとは、上値の重さを意識せざるを得ないだろう。15日から始まるFOMCの結果判明に注目が集まっているほか、25日移動平均線(2万8039ドル)が控えている節目の2万8000ドルに接近する局面では戻り売り圧力の強さが確認されていることもあって、朝方の買い一巡後には深追いしにくい相場環境となる。
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