NYコラム(2日)ダウ平均は戻り高値を試す展開へ−ADP雇用統計は42.8万人増にとどまる

著者:加藤裕一
投稿:2020/09/02 21:00

NY株式市場(2日)世界的な株高の流れが継続か⁈−ムニューシン米財務長官がペロシ下院議長と電話会談

2日のニューヨーク株式市場でダウ平均は買い先行で取引が始まりそうだ。

前日に発表されたISM製造業景況指数の改善でアメリカ景気の回復期待が高まったことから2日のヨーロッパ市場まで堅調に推移しており、世界的な株高の流れが継続している。ダウ平均は寄り付きで先月28日に付けたパンデミック後の戻り高値(2万8733ドル)を捉えるかたちで取引スタートとなりそうだ。

同時にダウ平均は先週末に続いて今年2月21日と2月24日の間に開けた大きな窓(21日安値:2万8892ドル−24日高値:2万8402ドル)の穴埋めを日足ベースで試すことになる。ダウ平均が2月に付けた過去最高値が視野に入ってくる2万9000ドル台回復に向けた最大の関門となる価格帯で上昇余地を探る展開となりそうだ。

前日にはムニューシン財務長官が議会の公聴会後にペロシ下院議長と電話会談したことからアメリカ議会で停滞している新型コロナウイルス対策第4弾に関する協議が進展するとの期待感が根強いことも相場の下支え要因として意識されよう。

ただ、取引開始前に発表された8月のADP雇用統計は42.8万人増加にとどまった。市場予想の100万人増には届かず、雇用情勢のV字回復を確認するには課題を残した格好となった。改めて週末金曜日に発表される雇用統計に相場の関心が移行していこう。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想