NYコラム(27日)ダウ平均は底堅い寄り付きか⁈−パウエルFRB議長の講演内容に関心がほぼ集中へ

著者:加藤裕一
投稿:2020/08/27 21:50

NY株式市場(27日)4−6月期GDP改定値はマイナス31.7%に上方修正−新規失業保険申請件数は100.6万人に減少

27日のニューヨーク株式市場では日本時間午後10時10分から始まるジャクソンホール会合でのパウエルFRB議長の講演内容に相場の関心がほぼ集中している。ダウ平均の寄り付きはリアルタイムでパウエル議長のメッセージを織り込む相場展開となりそうだ。ポジション軽めで相場の急変に備えたポジション取りが求められよう。

取引開始前に発表された4−6月期GDP改定値は前期比年率でマイナス31.7%と市場予想(マイナス32.5%)を上回り、小幅ながら上方修正されたほか、同じく取引開始前に発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は100.6万人とほぼ市場予想(100万人)の範囲内に収まったことは相場の下支え要因となろう。

ただ、ダウ平均構成銘柄の入れ替えを31日に控えて、ダウ平均構成銘柄から除外されるエクソンなど3銘柄へのネガティブ・インパクトを見極める必要がありそうだ。エクソンなど除外される3銘柄は、個別ベースで売り注文をこなさなければならない。ダウ平均は、エクソンなど除外銘柄の売り一巡感が確認されるまで下押し圧力としてマイナスの影響を受ける相場環境が続きそう。

アメリカ大統領選挙に向けた共和党大会が27日に最終日を迎える。最終日はトランプ大統領がホワイトハウスから指名受諾演説を行う予定だ。トランプ政権をめぐっては南シナ海で中国が弾道ミサイルの発射実験を行ったことに対する制裁に踏み切ったことから再び米中関係に緊張感が高まっていることは相場の重しとなりそうだ。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想