NYコラム(4日)ダウ平均は上昇一服でスタートへ–ナスダック総合株価指数が最高値更新から利食い売り優勢か⁈

著者:加藤裕一
投稿:2020/08/04 21:00

NY株式市場(4日)セクターローテーションで物色意欲を確認へ–7月米製造業受注に注目

4日のニューヨーク株式市場でダウ平均は上昇一服して取引が始まりそうだ。

前日に過去最高値を更新したナスダック総合株価指数でウエートが大きいIT・ハイテク株中心に一旦利益確定売りが先行する寄り付きを迎えそうで、ダウ平均も連れ安する取引開始となりそうだ。まずは、ナスダック総合株価指数の下げ渋りを確認したい取引スタートだろう。同時に日本時間23:00に発表される6月米製造業受注(市場予想:前月比5.0%)を波乱なく通過できれば、徐々に相場の底固さが意識されてこよう。

ニューヨーク株式市場では、前日にISM製造業景況指数の発表を通過したことから、相場の関心は週末の雇用統計に徐々に移行していくことになる。前日に発表されたISM製造業景況指数のサブ・インデックスで雇用に関する指数の改善が限定的だった上、明日発表されるADP雇用統計は民間部門の雇用者数が前月からほぼ半減する見通しになっていることから、週末7日に発表される雇用統計はこれまでのところ警戒感を持って見守ることになりそうだ。

失業保険の加算額をめぐって与野党が激しく対立しているアメリカ議会は今月8日から休暇入りする予定だ。引き続き、トランプ大統領による大統領令の発令や会期の延長など次の一手を見極める局面が続いている。

4日のニューヨーク株式市場は直近で買われたIT・ハイテク株から好業績の出遅れ銘柄に資金シフト=セクターローテーションを効かせる形で幕間をつなぎながら今週後半に控えたビックイベントをこなせるかどうか、物色意欲の強さが試される1日となる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想