NYコラム(30日)ダウ平均は反落スタートへ–4–6月期GDPは32.9%減と戦後最悪

著者:加藤裕一
投稿:2020/07/30 22:00

NY株式市場(30日)ダウ平均は25日移動平均線に迫るか–GAFA決算直前で買い見送りへ

30日のニューヨーク株式市場でダウ平均は反落して取引が始まりそうだ。寄り付きでは、前日の上昇分(160ドル)を帳消しにして25日移動平均線(2万6214ドル)に迫る局面も見られよう。

注目されていたアメリカの4–6月期GDP速報値は、前期比・年率換算で、マイナス32.9%と戦後最悪となった。同じく取引開始前に発表された週間ベースの新規失業保険申請件数は、143万件と2週連続で増加したことから、アメリカ景気の回復期待が後退している。

ダウ平均はマクロ指標でネガティブ材料が重なったことを嫌気して寄り付きから下押し圧力が強まりそうだ。日本時間の夕方に発表されたドイツの4–6月期GDP速報値は前期比でマイナス10.1%と統計開始以来最悪の数字となったことから、すでにヨーロッパ株が大幅安となり世界的な景気悪化を織り込んでリスクオフムードが台頭した流れを踏襲しそうだ。

一方で30日の取引終了後には、アップルやアマゾン、フェイスブック、グーグルが相次いで4–6月期決算を発表する。業績内容を確認したいとの様子見姿勢から総じて積極的な買いが見送られやすい相場環境だ。

GAFAは揃って30日の夕方に決算発表を行うことから、業績内容に関するファースト・リアクションは時間外取引で織り込まれることになる。すでに個別ベースでは決算発表前のポジション調整を終えている。決算発表後は、個別の業績内容を受けた選別物色が一段と進むことになり、GAFAの株価は、初動で明暗が分かれることになるだろう。本格化しているアメリカ企業の決算は30日にピークを超えるとともにアメリカ株式市場は、7月相場最大のヤマ場を迎えることになる。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想