■中長期の成長戦略
5. 金鳳堂の現状と今後の取り組み
金鳳堂は現在、高島屋に9店、伊勢丹に5店、その他に5店の計19店を出店している。三城ホールディングス<7455>の連結子会社でありながら、今まではどちらかと言えば独自路線を歩んできた。しかし今後は、同社グループの一員として同社との連携や協力を進める計画だ。理念としては、「顧客に最上の付加価値を提供できる企業として、新たなマーケットを開拓し、富裕層マーケットでのNo.1を目指す」を掲げている。
(1) リブランディング
売上高の減少により多くの百貨店が相次いで閉店に追い込まれている。今後も人口高齢化のなか、百貨店の店頭は試着や相談などリアルで必要なものだけに特化していき、多くの商品をそろえる必要はなくなり、店舗はさらに小型化していくと予想される。このため、顧客が店へ足を運ぶ必要性は減ってきているのが現状だ。
このような環境下、金鳳堂においては「リブランド化」を進める。具体的には、「ヌーヴェルヴァーグ」コンセプトへの店装や男性社員はボウタイ着用などである。商品においても、「鯖江光器」などの自社ブランド品を積極的に拡販する。
また三城の「らくみみ」の制度を活用して、補聴器レンタルサービスを開始する。まずはJR京都伊勢丹店からスタートし、新しい「コト」サービスとして百貨店へ提案、将来は百貨店サブスクリプションへの発展を目指す。
(2) 2021年3月期以降の計画
・ 出店・退店・改装→補聴器取扱店の拡大、不採算店舗退店、補聴器売り場確保や店内移動等
・ 未出店大型百貨店→ポップアップ(サングラス)での出店
・ PR→HPのリニューアルと予約制の導入
・ EC→SNS(LINE・Instagram)金鳳堂オフィシャルサイト開設、リアル店舗への送客
・ アイケア→高度検査機器の導入、相談会の開催
・ メディカル→眼科との連携、メディカルサポートの取り組み
・ 人材育成→三城百貨店との人事交流と研修の開始
今後2023年3月期までの出店計画
・ 2021年3月期:出店3、退店1、改装2
・ 2022年3月期:出店2、退店2、移転1、改装2
・ 2023年3月期:出店1、退店1、移転1、改装1
6. 海外事業の現状と今後の取り組み
海外の店舗数は2020年3月期末で124店舗となっている。赤字法人(フランス、イギリス、韓国、中国、シンガポール、オーストラリア)、黒字法人(ドイツ、台湾、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン、ハワイ、シアトル)であった。2020年3月期の海外法人の営業損失は34百万円であったが、赤字法人の営業損失合計は225百万円となっており、今後はこの赤字法人を減らしていくと同時に、黒字法人(合計営業利益191百万円)をさらに伸ばすことが課題となるだろう。
海外眼鏡事業を取り巻く現状としては、
・ アフターコロナでファストファッション系他社メガネ店の統合、淘汰がスピードアップ
・ 国、保険の変化
・ 政治的背景+コスト高(人件費+家賃)
などの問題が考えられるが、このような環境下で、今後は以下のような取り組みを進める。
a) 選択と集中の継続 ⇒ 不採算店の退店(オーストラリア、アメリカ)
b) 強みを生かした再構築
・ ベテラン社員を生かした(検査・提案)サービス ⇒ 中国
・ MADE IN JAPAN project ⇒ 全ての海外法人
c) 強い法人をより強く
・ エンターテイメント、メディカル連携のシナジー効果を期待
(ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール、カンボジア)
以上の施策を実行することで、2~3年後の黒字化を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
<EY>
5. 金鳳堂の現状と今後の取り組み
金鳳堂は現在、高島屋に9店、伊勢丹に5店、その他に5店の計19店を出店している。三城ホールディングス<7455>の連結子会社でありながら、今まではどちらかと言えば独自路線を歩んできた。しかし今後は、同社グループの一員として同社との連携や協力を進める計画だ。理念としては、「顧客に最上の付加価値を提供できる企業として、新たなマーケットを開拓し、富裕層マーケットでのNo.1を目指す」を掲げている。
(1) リブランディング
売上高の減少により多くの百貨店が相次いで閉店に追い込まれている。今後も人口高齢化のなか、百貨店の店頭は試着や相談などリアルで必要なものだけに特化していき、多くの商品をそろえる必要はなくなり、店舗はさらに小型化していくと予想される。このため、顧客が店へ足を運ぶ必要性は減ってきているのが現状だ。
このような環境下、金鳳堂においては「リブランド化」を進める。具体的には、「ヌーヴェルヴァーグ」コンセプトへの店装や男性社員はボウタイ着用などである。商品においても、「鯖江光器」などの自社ブランド品を積極的に拡販する。
また三城の「らくみみ」の制度を活用して、補聴器レンタルサービスを開始する。まずはJR京都伊勢丹店からスタートし、新しい「コト」サービスとして百貨店へ提案、将来は百貨店サブスクリプションへの発展を目指す。
(2) 2021年3月期以降の計画
・ 出店・退店・改装→補聴器取扱店の拡大、不採算店舗退店、補聴器売り場確保や店内移動等
・ 未出店大型百貨店→ポップアップ(サングラス)での出店
・ PR→HPのリニューアルと予約制の導入
・ EC→SNS(LINE・Instagram)金鳳堂オフィシャルサイト開設、リアル店舗への送客
・ アイケア→高度検査機器の導入、相談会の開催
・ メディカル→眼科との連携、メディカルサポートの取り組み
・ 人材育成→三城百貨店との人事交流と研修の開始
今後2023年3月期までの出店計画
・ 2021年3月期:出店3、退店1、改装2
・ 2022年3月期:出店2、退店2、移転1、改装2
・ 2023年3月期:出店1、退店1、移転1、改装1
6. 海外事業の現状と今後の取り組み
海外の店舗数は2020年3月期末で124店舗となっている。赤字法人(フランス、イギリス、韓国、中国、シンガポール、オーストラリア)、黒字法人(ドイツ、台湾、ベトナム、マレーシア、タイ、フィリピン、ハワイ、シアトル)であった。2020年3月期の海外法人の営業損失は34百万円であったが、赤字法人の営業損失合計は225百万円となっており、今後はこの赤字法人を減らしていくと同時に、黒字法人(合計営業利益191百万円)をさらに伸ばすことが課題となるだろう。
海外眼鏡事業を取り巻く現状としては、
・ アフターコロナでファストファッション系他社メガネ店の統合、淘汰がスピードアップ
・ 国、保険の変化
・ 政治的背景+コスト高(人件費+家賃)
などの問題が考えられるが、このような環境下で、今後は以下のような取り組みを進める。
a) 選択と集中の継続 ⇒ 不採算店の退店(オーストラリア、アメリカ)
b) 強みを生かした再構築
・ ベテラン社員を生かした(検査・提案)サービス ⇒ 中国
・ MADE IN JAPAN project ⇒ 全ての海外法人
c) 強い法人をより強く
・ エンターテイメント、メディカル連携のシナジー効果を期待
(ベトナム、タイ、フィリピン、マレーシア、シンガポール、カンボジア)
以上の施策を実行することで、2~3年後の黒字化を目指す。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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