ワクチン開発への期待でリスク選好の中、ドル円は21日線まで戻す=NY為替

著者:MINKABU PRESS
投稿:2020/07/14 00:24
 きょうドル円は買い戻しが優勢となっており、107円台を回復している。本日の21日線は107.25円付近に来ているが、その水準まで戻す展開。本日の市場はリスク選好の雰囲気が強まっており、米株式市場でダウ平均が400ドル超上昇する中で、ドル円も買い戻されているようだ。ドル安・円安の中、きょうは円安の動きが勝っている模様。

 先週末に106円台に下落し、107円台の膠着相場から下に抜け出した感もあった。テクニカル的にも下向きの流れを強める動きではあったが、現行水準を維持できるようであれば、107.65円付近に来ている100日線までの戻りの可能性もありそうだ。ただ、上向きの流れではなく、あくまで107円のレンジ相場に戻すかどうかだけであろう。

 きょうの市場は、感染第2波への懸念は依然として根強いものの、ワクチンや新薬の開発への期待感がそれを相殺しているようだ。先週はギリアド・サイエンシズが新型ウイルス向け治療薬「レムデシビル」の臨床試験で好結果が出たと報告したことや、きょうはファイザーとドイツのバイオNテックが共同開発している「BNT162」がFDAのファスト・トラック(優先承認審査制度)の指定を受けたとのニュースが流れている。
 
 今週から4-6月期の米企業決算が始まるが、決算については、金融危機を凌ぐ最悪の決算と見られている。しかし、そのことはすでに市場も織り込んでおり、企業が先行きの見通しをどう示してくるか注目されている。もし、株式市場がポジティブな反応を見せるようであれば、全体的にドルショートがかなり積み上がって来ていることもあり、その巻き返しでドル円が上向きのトレンドを回復する可能性もあるのかもしれない。

USD/JPY 107.26

MINKABU PRESS編集部 野沢卓美

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