リプロセル、前期経常を赤字拡大に下方修正

配信元:株探
投稿:2020/07/03 15:00
 リプロセル <4978> [JQG] が7月3日大引け後(15:00)に業績修正を発表。20年3月期の連結経常損益を従来予想の6.8億円の赤字→8.9億円の赤字(前の期は6.2億円の赤字)に下方修正し、赤字幅が拡大する見通しとなった。

 会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の連結経常損益も従来予想の2.5億円の赤字→4.5億円の赤字(前年同期は3.7億円の赤字)に下方修正し、赤字幅が拡大する計算になる。

株探ニュース

会社側からの【修正の理由】
 1.特別損失の計上(1)連結決算(持ち分法による投資損失) 当社は、当社の連結子会社であるBioserve Biotechonologies India Pvt Ltd(インド)の株式取得時に発生したのれん等について、同社に係る事業の業績が当初策定の計画を下回って推移している事等を勘案して、今後の事業計画を見直し、監査法人とも協議のうえ、回収可能価額を慎重に検討した結果、減損損失として115百万円を計上することとなりました。2)個別決算(関係会社株式評価損) 連結子会社であるBioserve Biotechonologies India Pvt Ltd(インド)の財政状態及び経営成績を勘案した結果「金融商品に関する会計基準」に基づき、当社が保有するBioserve Biotechonologies India Pvt Ltd(インド)の株式について関係会社株式評価損339百万円を計上することとなりました。<ご参考:のれん等減損損失と関係会社株式評価損の会計上の取り扱いについて>連結決算に計上される予定の減損損失は、主に連結財務諸表上に計上されておりましたのれん及び無形固定資産に関して、帳簿価格の切り下げに伴う損失であります。一方、個別決算に計上される予定の関係会社株式評価損は、個別財務諸表上に計上されておりました関係会社株式の評価替えに伴う損失であります。当該関係会社株式評価損は、連結決算においては相殺消去されるため、連結損益への影響はありません。連結決算における減損損失および個別決算における関係会社株式評価損は、それぞれ異なる損失であるため、金額は一致しません。なお、連結財務諸表に計上される予定の減損損失および個別財務諸表に計上される予定の関係会社株式評価損は、いずれも現金及び現金同等物の減少を伴うものではありません。2.2020年3月期通期連結業績予想数値の修正(2019年4月1日~2020年3月31日)(1)修正の理由売上高:当期(2020年3月期)は、研究支援事業のうち、iPS細胞サービス/創薬支援サービスを成長事業と位置づけ、日米欧の製薬企業等への営業活動および技術開発を積極的に行ってまいりました。その結果、当該サービスの受注は、ほぼ当初の予測どおり進んでおりましたが、2020年2月より発生した新型コロナウイルスの影響により、受注済みのサービスが一部実施できない状況になり、納品に至らない案件がございました。また、メディカル事業の臨床検査において、主力検査項目である臓器移植後の抗HLA 抗体検査が2018年4月より保険収載となり、前期(2019年3月期)において大幅な売上増加があったため、当初、当期においても増加が続くと予測しておりました。しかしながら、当期の売上高は、保険収載前の水準に戻っております。以上、これらの要因により、前回発表予測の数字へ到達することが難しい見込みとなり、業績予想の修正を行うことにいたしました。営業利益および経常利益:販売費及び一般管理費につきましては、大きな変動はありませんが、売上高が当初予測を下回る予想となったため、営業利益および経常利益とも、減少すると予想いたしました。当期純利益:前述の通り、当社の連結子会社であるBioserve Biotechonologies India Pvt Ltd(インド)の株式取得時に発生したのれん等について、監査法人とも協議のうえ、回収可能価額を慎重に検討した結果、減損損失として115百万円を計上する見込みとなったため、予想を修正いたしました。以上により、当連結会計年度の業績予想を修正するものであります。(2)今後の展開短中期的な柱として研究支援事業を着実に成長させ、さらに、中長期的には再生医療を含むメディカル事業で大きな飛躍を目指すという従来からの成長戦略を変えることなく、今後とも推進してまいります。当期は、一時的な影響が出たものの、当社の事業は本質的に新型コロナウイルスの影響を受けるものではないため、早期に回復すると考えております。研究支援事業に関して、iPS細胞サービス/創薬支援サービスを成長事業と位置づけており、製薬企業等における需要も、ここ1-2年で大きく増加しております。特に、患者由来の疾患iPS細胞、iPS細胞遺伝子改変サービス、各種分化誘導サービスのニーズが高く、いずれも、当社の技術優位性の高いサービスであることから、今後とも、これらを中心に営業活動および技術開発に積極的に取り組んでまいります。当期に関しては、新型コロナウイルスの影響で一時的に売上に影響が出ましたが、受注は順調に推移しており、各国の新型コロナウイルスによる活動制限も緩和されてきたことから、今後、売上は回復すると見込んでおります。また、2019年9月には、Axion BioSystems社(米国)と国内における販売代理店契約を締結し、同社の有する細胞機能測定機器の販売を開始しました。当社はこれまで、研究試薬/細胞の販売および各種サービスの提供を行ってまいりましたが、新たに機器をポートフォリオに加えることで、さらに、売上を拡大してまいります。メディカル事業に関しては、臨床検査と再生医療を行っており、再生医療を中長期的に大きな飛躍を担う事業と位置づけております。現在、ステミネント社(台湾)が開発した再生医療製品ステムカイマル(幹細胞)による脊髄小脳変性症の第II相臨床試験(治験)を行っており、2020年2月には、国立学校法人名古屋大学において、第一例目の被験者への投与が開始されました。治験実施医療機関は日本国内10か所、組み入れ症例数計53例で、2021年12月の完了を予定しております。今後、安全性と有効性について評価を行い、早期の製造販売承認の取得を目指しております。なお、本治験は、これまで新型コロナウイルスの影響を受けること無く、スケジュール通り進んでおります。また、2つ目の再生医療製品であるiPS神経グリア細胞では、筋萎縮性側索硬化症(ALS)および横断性脊髄炎の治療を目指した研究開発を進めており、現在、前臨床段階にあります。こちらも順調に開発を進めております。さらに、2020年3月、新たに再生医療に向けた「臨床用iPS細胞」の作製サービスを開始いたしました。最先端のリプログラミング技術であるRNA法を用いることで、安全性のリスクを最小化した臨床用iPS細胞を作製します。今後、再生医療を手がけている製薬企業や大学などを対象顧客として、積極的に拡大してまいります。上述のように、今回の修正は、新型コロナウイルスの影響に起因する部分も多く、影響は一時的と考えております。今後の成長ビジネスである研究支援事業のiPS細胞サービス/創薬支援サービスは、順調に拡大しており、また、再生医療事業の研究開発も新型コロナウイルスの影響なく、順調に進捗しております。3.通期個別業績の予想について(2019年4月1日~2020年3月31日)(1)予想数字の算出理由売上高:上述のように、日本でも、iPS細胞サービス/創薬支援サービスの受注は、ほぼ当初の予測どおり進んでおりましたが、新型コロナウイルスの影響により、サービスが一部実施できない状況になりました。また、日本で実施している臨床検査事業は上述の理由により、前期を下回る予想となりました。以上、これらの要因により、当期予想が前期実績を下回る見込みとなりました。なお、日本でもiPS細胞サービス/創薬支援サービスに関する需要は増加傾向にあり、受注も順調なことから、引き続き成長分野と位置づけ進めてまいります。現在は、新型コロナウイルスによる活動制限が緩和されてきており、今後、売上も回復すると見込んでおります。営業利益及び経常利益:売上高が前期実績を下回る予想となったこと、さらに、再生医療製品ステムカイマルの臨床試験の進捗による研究開発費の増大のため、営業利益および経常利益とも、前期に比べ減少すると予想しています。また、通常の販売費及び一般管理費について、大きな変動はございません。当期純利益につきましては、前述の通り、当社の連結子会社であるBioserve Biotechonologies India Pvt Ltd(インド)の財政状態及び経営成績を勘案した結果「金融商品に関する会計基準」に基づき、当社が保有するBioserve Biotechonologies India Pvt Ltd(インド)の株式について関係会社株式評価損339百万円を計上する見込みとなり、前期を大幅に下回る予想となりました。以上の算出理由に基づき、通期個別業績予想数字を新たに算出いたしました。なお、当該関係会社株式評価損は、個別財務諸表のみで計上されるものであり、連結決算においては相殺消去されるため、連結財務諸表への影響はありません。※本業績予想につきましては、当社が現在入手可能な情報に基づき作成したものであり、実際の業績は、今後の様々な要因により予想値と異なる可能性があります。
配信元: 株探

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