NY株式市場(30日)米国は香港への輸出優遇措置取り消しへ–パウエルFRB議長の議会証言に注目
30日のニューヨーク株式市場でダウ平均は戻り売り優勢で取引が始まりそうだ。
中国政府は、30日に注目されていた「香港国家安全維持法案」をスピード可決した。法案は香港が中国に返還されてから23年目を迎える7月1日に施行されるという。
一方でトランプ政権は香港への輸出優遇措置を取り消す方針だ。さらにアメリカでは香港国家安全維持法案をめぐる中国への制裁法案がすでにアメリカ議会上院を通過しており、下院の承認後にトランプ大統領が署名すれば成立するスケジュールになっている。中国への制裁法案は香港国家安全維持法案の制定に関与する大手銀行に制裁を発動することが主な柱となっており両国の報復合戦が一段とエスカレートするとの警戒感が台頭している。トランプ大統領による制裁法案への署名はヘッドラインニュースで報じられることも想定しておきたい。
ダウ平均は先週末にコロナ感染の第2波への警戒感から783ドル安と大幅安で取引を終えたあと、週明け月曜日には一転、580ドル高と先週末に下落した分の8割ほどを取り戻す展開となった。今晩のニューヨーク株式市場は、再び米中対立の激化懸念から積極的な買いが見送られ戻り売りに押されやすい地合いで寄り付きを迎えそうだ。
30日のニューヨーク株式市場で相場の地合いに変化をもたらすタイミングと想定されるのは、パウエルFRB議長とムニューシン米財務長官による下院金融サービス委員会での証言であろう。議会証言の開始時間は日本時間7月1日午前1時30分からだ。
金融政策面での追加緩和策と財政政策面での追加景気対策などで、何らかの具体的なアクションが示唆されれば、相場が敏感に反応してもおかしくない。特にムニューシン米財務長官による追加景気刺激策を含むコロナ対策に関する言及には注目しておきたい。
同時にアメリカ国内における新型コロナウイルスの第2波に関するネガティブニュースと向き合いながら、1日のISM製造業景況指数やADP雇用統計、2日の米雇用統計に向けたポジション調整を粛々と進める1日となる。
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