NY株式市場(23日)ダウ平均は200日線を試す展開へ–ナバロ発言で下値不安がにじむ結果に
23日のニューヨーク株式市場でダウ平均は、上昇余地を探る展開となる。
アメリカ株式市場では、22日の取引終了後にナバロ大統領補佐官が『中国との通商協議は終わった』と発言したと報じられるとダウ平均先物は時間外取引で一時2万5500ドル台前半まで急落した。ナバロ氏はすぐに発言を修正。トランプ大統領も「米中貿易協議は完全に無傷だ」とツイートして火消しに回るとダウ平均先物は、早々に切り返す展開となり2万6200ドル台に乗せる場面が見られている。
ナバロ氏の発言自体は、拙速でミス・コミュニケーションに過ぎないが、結果としてダウ平均は、米中協議の行方次第で下値不安を抱えていることを色濃くにじませた格好となった。同時に今回はトランプ大統領が米中貿易協議の継続に言及したことから、ダウ平均先物は急落後のショート・カバーが持続している。23日の通常取引はショート筋の巻き戻しが継続したまま上昇余地を探る勢いが優勢となりそうだ。ダウ平均は寄り付きで20日移動平均線(2万6046ドル)を捉えたあとは、200日移動平均線(2万6308ドル)を試しに行くことになる。
ただ、ダウ平均は寄り付きで上昇余地を探ったあとは上値の重さが意識されそうだ。寄り付きの買い戻しは、あくまでテクニカル的なショート・カバーに過ぎず、買い上がるには、一段の買い手掛かりが求められることになる。引き続き、アメリカ株式市場のメインテーマは、新型コロナウイルスの感染第2波と経済回復に向けた数字=エビデンスであろう。きょうのところは、一段の買い手掛かりがもたらされなければ、ダウ平均が200日移動平均線を超えてからの深追いは慎重にならざるを得ない1日となる。
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