NYコラム(17日)ダウ平均は上値の重い展開か⁈–パウエルFRB議長の議会証言が続く

著者:加藤裕一
投稿:2020/06/17 22:04

NY株式市場(17日)ダウ平均はアイランド・リバーサル否定できず−米国務長官が中国当局者と会談へ−

17日のダウ平均は上値の重さを意識しながらの取引スタートとなりそうだ。

ダウ平均はきのうまでの3日続伸で1100ドル以上の上昇を見せた反動から、一旦手仕舞い売りが出てこよう。前日は失速を誘う形となったパウエルFRB議長の議会証言の内容を連日で慎重に見極める相場付きとなりそうだ。中国・北京市内で新型コロナウイルス感染者が増加していることから一部地域で移動制限などの警戒レベルが引き上げられたことも積極的な買いを慎重にさせる要因となろう。アメリカ国内では、フロリダやテキサスなどで日々公表される新型コロナの感染者数をめぐる数字に反応しやすい相場の地合いも残っているようだ。

ダウ平均は、きのうの上昇局面で日中高値が2万6611ドルに止まったことから、日足チャートで10日(日中安値=2万6938ドル)と11日(日中高値=2万6298ドル)に開けた大きな窓を穴埋めできずに終わっている。この結果、8日に戻り高値(2万6580ドル)を付けたあと、直近の急落で示現した「アイランド・リバーサル」を否定できずに「離れ小島」部分を残していることから、テクニカル分析で上昇相場のいったん終了と短期的な弱気シグナルが点灯したままとなっている。

17日のダウ平均も200日移動平均線(2万6316ドル)に上値を抑えられながら下方バイアスを意識せざるを得ない取引スタートとなりそうだ。取引開始前に発表された5月の住宅着工件数は予想を下回る97.4万戸とさえない内容となった。

ただ、米中問題をめぐっては、ハワイを訪問中のポンペオ国務長官は、現地に滞在している中国の外交当局者と会談するという。財政政策面では、トランプ政権によるインフラ投資に関するもう一段、踏み込んだアクションが欲しいところだ。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想