NYコラム(16日)ダウ平均は買い優勢でスタートへ−パウエルFRB議長の議会証言を見極めか⁈

著者:加藤裕一
投稿:2020/06/16 22:00

NY株式市場(16日)ダウ平均は200日移動平均線を回復へ−5月小売売上高は市場予想を上回る

16日のニューヨーク株式市場でダウ平均は買い優勢で取引が始まりそうだ。

ダウ平均は、前日の午後に切り返した流れを引き継ぎ、寄り付きは買い戻し圧力が継続しそうだ。前日にはFRBがSMCCFを通じた個別企業の社債を買い取ることを発表したことをきっかけに一段とリスクオンの流れが浸透したあと、世界的な株価の上昇が途切れずにニューヨーク市場に戻ってきたことが追い風となる。

取引開始前に発表された5月の小売売上高は、前月比で17.7%増と市場予想の8.0%増を上回る内容となった。さらに4月分も16.4%減から14.7%減に上方修正され、個人消費の回復基調が確認されたことも好感されるだろう。

ダウ平均は寄り付きの上昇過程で200日移動平均線(2万6316ドル)を再び捉えることになる。その後は、取引開始早々に伝わるパウエルFRB議長の議会証言がリスクオンムードを後押しする内容になるかどうか見極めることになる。

先週のFOMCでは、アメリカ経済の先行きに厳しい見方を示したことからマーケットの動揺を誘ったパウエルFRB議長。今週はマーケットフレンドリーなムードを演出してもおかしくないだろう。

いずれにしてもアメリカ株式市場では、引き続き買い方・売り方ともに逃げ足の速さが目立ち、ボラティリティーの高い相場付きとなっている。前日に続いて厳重なポジション管理が求められる相場環境となる1日だ。

加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想