■藤商事<6257>の今後の見通し
2. 重点施策
収益力回復に向けて2021年3月期に取り組む最重点課題として、「徹底した市場ニーズの調査・遊技者目線の追求による稼働力向上」を掲げている。遊技機市場全体の縮小が続くなかで、同社もここ数年、ヒット機種を生み出すことが難しくなっており、ホールでの稼働力も想定を下回るケースが増え、収益が低迷する要因となっている。こうした状況を打開するため、同社は2019年より全国のパチンコホールを訪問して、稼働力が低迷する原因を徹底して調査し、競合メーカーの機種との比較も行いながら分析を行い、開発部門にフィードバックして、新機種の開発を一から見直して行うよう開発体制を刷新した。改善項目は、音や映像の表現方法から玉の出方、ハンドルの形状に至るまですべて洗い出し、新機種の開発に反映させている。従来よりも、遊技者目線に立った機種を開発することで、稼働力の向上を実現していく考えだ。前述したように2020年4月以降投入する機種は、すべて同様のコンセプトで開発した機種となる。ホールでの稼働力が向上すれば、販売シェアも拡大し、収益の回復につながるものと期待される。
また、商品戦略として従来、「ホラー、時代劇、萌え」ジャンルを主軸に版権を購入しシリーズ展開してきたが、ジャンルの裾野を拡げて、新たなヒット機種の創出にも取り組んでいく考えだ。同社では、パチンコ機の市場シェアとして10%を当面の目標に掲げている。
そのほかの重点課題として以下の点に取り組んでいく方針となっている。
(1) 稼働・販売力向上に向けた社内体制強化
新規則機の導入に伴って、型式試験の合格率が低下したことを背景に、パチンコ機、パチスロ機ともに子会社も含めた複数ブランドによって従前よりも多くの機種の型式申請を行うことで、適合機種数を確保する戦略を取っている。このため、グループでの製造・販売体制の効率的な運用に向けた社内体制の整備や、PDCAサイクルの強化に取り組み、稼働・販売力の向上につなげていく。
(2) リユースサイクルの強化と経費コントロール強化
パチンコ機などでは部材コスト低減のため、リユース品を利用しているケースも多い。リユース品を多く使用できるかどうかは、旧機種をどれだけ下取り回収できるかにかかっているが、現状、下取り回収率についてはまだ改善の余地があると見ており、調達ルートを含めて下取り回収の強化に取り組んでいく方針だ。同社ではこうした部材コストの低減に取り組むことで、売上総利益率50%超の水準を維持していく方針となっている。また、販管費についても経費のコントロールを強化することで抑制を図っていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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2. 重点施策
収益力回復に向けて2021年3月期に取り組む最重点課題として、「徹底した市場ニーズの調査・遊技者目線の追求による稼働力向上」を掲げている。遊技機市場全体の縮小が続くなかで、同社もここ数年、ヒット機種を生み出すことが難しくなっており、ホールでの稼働力も想定を下回るケースが増え、収益が低迷する要因となっている。こうした状況を打開するため、同社は2019年より全国のパチンコホールを訪問して、稼働力が低迷する原因を徹底して調査し、競合メーカーの機種との比較も行いながら分析を行い、開発部門にフィードバックして、新機種の開発を一から見直して行うよう開発体制を刷新した。改善項目は、音や映像の表現方法から玉の出方、ハンドルの形状に至るまですべて洗い出し、新機種の開発に反映させている。従来よりも、遊技者目線に立った機種を開発することで、稼働力の向上を実現していく考えだ。前述したように2020年4月以降投入する機種は、すべて同様のコンセプトで開発した機種となる。ホールでの稼働力が向上すれば、販売シェアも拡大し、収益の回復につながるものと期待される。
また、商品戦略として従来、「ホラー、時代劇、萌え」ジャンルを主軸に版権を購入しシリーズ展開してきたが、ジャンルの裾野を拡げて、新たなヒット機種の創出にも取り組んでいく考えだ。同社では、パチンコ機の市場シェアとして10%を当面の目標に掲げている。
そのほかの重点課題として以下の点に取り組んでいく方針となっている。
(1) 稼働・販売力向上に向けた社内体制強化
新規則機の導入に伴って、型式試験の合格率が低下したことを背景に、パチンコ機、パチスロ機ともに子会社も含めた複数ブランドによって従前よりも多くの機種の型式申請を行うことで、適合機種数を確保する戦略を取っている。このため、グループでの製造・販売体制の効率的な運用に向けた社内体制の整備や、PDCAサイクルの強化に取り組み、稼働・販売力の向上につなげていく。
(2) リユースサイクルの強化と経費コントロール強化
パチンコ機などでは部材コスト低減のため、リユース品を利用しているケースも多い。リユース品を多く使用できるかどうかは、旧機種をどれだけ下取り回収できるかにかかっているが、現状、下取り回収率についてはまだ改善の余地があると見ており、調達ルートを含めて下取り回収の強化に取り組んでいく方針だ。同社ではこうした部材コストの低減に取り組むことで、売上総利益率50%超の水準を維持していく方針となっている。また、販管費についても経費のコントロールを強化することで抑制を図っていく。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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