米ドル/円、110円を目指す展開か

著者:津田隆光
投稿:2020/06/05 16:19

「110.000円」が目先の想定上値メドとなりそう

米ドル/円・日足・複合チャート
米ドル/円・日足・複合チャート出所:マネースクエアFXチャート

【注目ポイント】先行2スパン(≒108.580円)上抜けブレーク
【想定上値メド】心理的ラインでもある「110.000円」
【見通し】「110.000円」超えなら、踏み上げの可能性も

足もとでは、米ドル/円がじりじりと上値を切り上げる相場展開となっています。

別図チャートでは1) 21日MA(移動平均線)が右肩上がりとなっていること、2) 遅行スパンがローソク足を上放れる“好転”が示現(別図黄色丸印)していること、3) パラボリック・SAR(ストップ・アンド・リバース)がローソク足の下方で点灯していること、4) BB(ボリンジャーバンド)・±2σラインが21日MAに対してパラレルとなっていること、そして、5) DMI(方向性指数)で+DI>-DIとなっている(上図赤色点線丸印)ことから、米ドル/円・日足チャートでは上昇トレンド序盤を示すチャート形状となっていることが視認できます。

その他で注目すべきメルクマールは、ローソク足が赤色の雲(=抵抗帯、先行スパン)の上辺である先行2スパン(≒108.580円)を上抜けブレークしていること。

当該シグナルは、「上値抵抗ライン突破」を示唆していることから、米ドル/円は徐々に上値を切り上げる相場展開となりそうです。

同時に、ローソク足が2日時点で、グランビルの法則における「上値抵抗ライン」として機能する200日MAを上抜けブレークしていることも合わせると、これからの時間の米ドル/円はもう一段の上値トライとなる可能性も。

目先の想定上値メドは、心理的ラインでもある「110.000円」。当該レート付近では、ある程度まとまった上値抵抗圧力を受ける可能性があるものの、仮にローソク足が上抜けブレークした場合は、売り方の踏み※も伴い、上昇モメンタムが加速(=踏み上げ)する可能性も視野に入れるべきでしょう。(※踏み:売り方が損失覚悟で買い戻すこと。⇔投げ売り)

よって、目先の想定上値メドである「110.000円」は、今後の米ドル/円にとっての“上下分水嶺”となり得る重要ポイントとして捉えるべきでしょう。

津田隆光
マネースクエア チーフマーケットアドバイザー
配信元: 達人の予想