■業績動向
1. 2020年6月期第2四半期の業績
マーケットエンタープライズ<3135>の2020年6月期第2四半期の業績は、売上高5,179百万円(前年同期比35.1%増)、営業利益309百万円(同105.1%増)、経常利益308百万円(同106.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益167百万円(同151.4%増)と絶好調で、売上高・利益ともに過去最高益を更新した。
個人消費については、長引く節約志向や低価格志向をベースとしながらも消費行動は多様化し、個人の価値観や嗜好性を反映したメリハリのある消費スタイルも浸透、同社の考える「賢い消費」が徐々に一般化していると言える。このような環境のなか、「リユースを核とした最適化商社」というビジョンの実現に向け、同社はネット型リユース事業を中心に、多様化する消費行動や様々な消費スタイルを求める消費者へのリーチを強化するため、積極的かつ効率的なWebマーケティング活動、各種メディアの運営、新たな仕入チャネルの開拓、業務のオートメーション化、ユーザビリティの向上などを推進した。この結果、2020年6月期第1四半期の売上高は、メディア事業とモバイル通信事業において9月に新型iPhone発売による特需が発生したこともあり、前年同期比50.1%増と絶好調であった。第2四半期の売上高は、10月の台風禍による買取の一時的減少もあって第1四半期の売上高には届かなかったものの、同22.8%増と非常に順調に拡大、第2四半期累計では同35.1%増となった。一方、事業間シナジーの創出や優秀な人材の採用など将来の収益向上へ向けた先行投資を行ったものの、売上高の大幅増加に加え業務の標準化やIT化を推進したため、営業利益率は3.9%→6.0%と2.1ポイントも向上、営業利益以下各段階の利益は倍増と非常に大きく伸びた。
順調なネット型リユース事業に新事業の新型iPhone発売による特需がオン
2. セグメント別業績動向
2017年6月期−2018年6月期の戦略的投資期を経て、前期からメディア事業、モバイル通信事業の新規2事業の収益が軌道に乗ってきたため、今期より3事業セグメント体制となった。2020年6月期第2四半期のセグメント別の業績は、中核のネット型リユース事業が売上高3,454百万円、セグメント利益339百万円となり、売上高は前年同期比14.1%増と引き続き堅調な成長を果たした。一方、立ち上がり時期のため業績の変化率が大きくなりがちなメディア事業が売上高263百万円、セグメント利益177百万円、モバイル通信事業が売上高1,600百万円、セグメント利益139百万円と、それぞれ売上高で同6.1倍、同2倍と大幅増収となり、急成長を継続した。
事業別の内容としては、ネット型リユース事業は、買取と販売がともに堅調に推移する一方、業務プロセスのIT化や標準化など業務効率化を一層推進した。大手金融機関の会員向け買取サービスや、大手メーカーの商品下取りサービスなど企業とのアライアンスにより新たな仕入チャネルも開拓、マッチングプラットフォーム「おいくら」と「高く売れるドットコム」との連携も開始した。このため、家電や音響機材、楽器、カメラ、パソコンといった主要商材5カテゴリーの取引量が順調に拡大、参入障壁が高く市場開拓余地の大きい戦略分野の法人向け大型商材の中でも農機具が大きく伸張した。なお、買取依頼件数は23.9万件(月間平均4万件)、平均販売単価は3.1万円で、在庫回転は15.4回と高水準を維持した。
メディア事業では、2019年9月に新型iPhone発売に伴う特需が発生、2019年8月に事業譲受した新メディア「SIMチェンジ」をはじめ通信関連のメディアが好調に推移した。このため、それまで月間500万~600万PVで安定的に伸びていた同社メディアの月間PV数が8月以降急伸し、9月には月間1,000万PVを突破するに至り、第1四半期の利益を大きく押し上げた。10月にはPV数が一旦落ち着いたが、その後むしろ上げ足を強め、第3四半期に入った1月には特殊要因なしに1,000万PVを超えるようになっており、9月の特需を除いても順調な成長を続けていると言える。モバイル通信事業では、格安SIMの新規獲得は現在行っていないが、メディア事業とのシナジーで通信関連メディアからの送客が好調に推移し、新規回線契約の獲得が伸びた。このため主力サービス「カシモWiMAX」が、第2四半期末の累計契約回線数が約4.5万件(前年同期比2倍強)となるなど、引き続き好調に推移した。
通期業績は会社見通しを上回って着地する可能性
3. 2020年6月期業績見通し
同社は2020年6月期業績見通しについて、売上高10,000百万円(前期比18.0%増)、営業利益600百万円(同32.7%増)、経常利益602百万円(同32.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益270百万円(同32.5%増)と引き続き大幅な増収増益を予想している。
創業以来14期連続増収で売上高100億円の大台を突破、利益面では、来期以降の成長につながる先行投資を実施しながら、過去最高益を更新する計画である。しかし、第2四半期までの進捗率と、引越や進学、就職という生活の転換期に当たる3月−5月に商材買取の多くが集まり、4月−6月には販売が集中することを考えると、特に下期業績について、微増収減益見通しとなっているのは保守的と言わざるを得ないだろう。
ネット型リユース事業では、家電や音響機材、楽器、カメラ、パソコンといった主要商材カテゴリーの取引量が堅調に拡大している。戦略分野の法人向け大型商材の中では農機具が伸びており、建設機械や医療機器など他の大型商材も規模は小さいものの拡大基調となっている。「おいくら」も「高く売れるドットコム」との連携が順調に進んでいる。このように、カテゴリーが増え連携が拡大していることから、下期を含め、当面の間2ケタの売上成長が続くことが予想される。加えて、2019年9月の新型iPhone特需でメディア事業とモバイル通信事業が大きな収益を挙げ、第2四半期累計の進捗率を押し上げたと推測されている。以上から、少なくとも2020年6月期業績に関して、期初の会社見通しを上回って着地する可能性が高くなったと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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1. 2020年6月期第2四半期の業績
マーケットエンタープライズ<3135>の2020年6月期第2四半期の業績は、売上高5,179百万円(前年同期比35.1%増)、営業利益309百万円(同105.1%増)、経常利益308百万円(同106.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益167百万円(同151.4%増)と絶好調で、売上高・利益ともに過去最高益を更新した。
個人消費については、長引く節約志向や低価格志向をベースとしながらも消費行動は多様化し、個人の価値観や嗜好性を反映したメリハリのある消費スタイルも浸透、同社の考える「賢い消費」が徐々に一般化していると言える。このような環境のなか、「リユースを核とした最適化商社」というビジョンの実現に向け、同社はネット型リユース事業を中心に、多様化する消費行動や様々な消費スタイルを求める消費者へのリーチを強化するため、積極的かつ効率的なWebマーケティング活動、各種メディアの運営、新たな仕入チャネルの開拓、業務のオートメーション化、ユーザビリティの向上などを推進した。この結果、2020年6月期第1四半期の売上高は、メディア事業とモバイル通信事業において9月に新型iPhone発売による特需が発生したこともあり、前年同期比50.1%増と絶好調であった。第2四半期の売上高は、10月の台風禍による買取の一時的減少もあって第1四半期の売上高には届かなかったものの、同22.8%増と非常に順調に拡大、第2四半期累計では同35.1%増となった。一方、事業間シナジーの創出や優秀な人材の採用など将来の収益向上へ向けた先行投資を行ったものの、売上高の大幅増加に加え業務の標準化やIT化を推進したため、営業利益率は3.9%→6.0%と2.1ポイントも向上、営業利益以下各段階の利益は倍増と非常に大きく伸びた。
順調なネット型リユース事業に新事業の新型iPhone発売による特需がオン
2. セグメント別業績動向
2017年6月期−2018年6月期の戦略的投資期を経て、前期からメディア事業、モバイル通信事業の新規2事業の収益が軌道に乗ってきたため、今期より3事業セグメント体制となった。2020年6月期第2四半期のセグメント別の業績は、中核のネット型リユース事業が売上高3,454百万円、セグメント利益339百万円となり、売上高は前年同期比14.1%増と引き続き堅調な成長を果たした。一方、立ち上がり時期のため業績の変化率が大きくなりがちなメディア事業が売上高263百万円、セグメント利益177百万円、モバイル通信事業が売上高1,600百万円、セグメント利益139百万円と、それぞれ売上高で同6.1倍、同2倍と大幅増収となり、急成長を継続した。
事業別の内容としては、ネット型リユース事業は、買取と販売がともに堅調に推移する一方、業務プロセスのIT化や標準化など業務効率化を一層推進した。大手金融機関の会員向け買取サービスや、大手メーカーの商品下取りサービスなど企業とのアライアンスにより新たな仕入チャネルも開拓、マッチングプラットフォーム「おいくら」と「高く売れるドットコム」との連携も開始した。このため、家電や音響機材、楽器、カメラ、パソコンといった主要商材5カテゴリーの取引量が順調に拡大、参入障壁が高く市場開拓余地の大きい戦略分野の法人向け大型商材の中でも農機具が大きく伸張した。なお、買取依頼件数は23.9万件(月間平均4万件)、平均販売単価は3.1万円で、在庫回転は15.4回と高水準を維持した。
メディア事業では、2019年9月に新型iPhone発売に伴う特需が発生、2019年8月に事業譲受した新メディア「SIMチェンジ」をはじめ通信関連のメディアが好調に推移した。このため、それまで月間500万~600万PVで安定的に伸びていた同社メディアの月間PV数が8月以降急伸し、9月には月間1,000万PVを突破するに至り、第1四半期の利益を大きく押し上げた。10月にはPV数が一旦落ち着いたが、その後むしろ上げ足を強め、第3四半期に入った1月には特殊要因なしに1,000万PVを超えるようになっており、9月の特需を除いても順調な成長を続けていると言える。モバイル通信事業では、格安SIMの新規獲得は現在行っていないが、メディア事業とのシナジーで通信関連メディアからの送客が好調に推移し、新規回線契約の獲得が伸びた。このため主力サービス「カシモWiMAX」が、第2四半期末の累計契約回線数が約4.5万件(前年同期比2倍強)となるなど、引き続き好調に推移した。
通期業績は会社見通しを上回って着地する可能性
3. 2020年6月期業績見通し
同社は2020年6月期業績見通しについて、売上高10,000百万円(前期比18.0%増)、営業利益600百万円(同32.7%増)、経常利益602百万円(同32.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益270百万円(同32.5%増)と引き続き大幅な増収増益を予想している。
創業以来14期連続増収で売上高100億円の大台を突破、利益面では、来期以降の成長につながる先行投資を実施しながら、過去最高益を更新する計画である。しかし、第2四半期までの進捗率と、引越や進学、就職という生活の転換期に当たる3月−5月に商材買取の多くが集まり、4月−6月には販売が集中することを考えると、特に下期業績について、微増収減益見通しとなっているのは保守的と言わざるを得ないだろう。
ネット型リユース事業では、家電や音響機材、楽器、カメラ、パソコンといった主要商材カテゴリーの取引量が堅調に拡大している。戦略分野の法人向け大型商材の中では農機具が伸びており、建設機械や医療機器など他の大型商材も規模は小さいものの拡大基調となっている。「おいくら」も「高く売れるドットコム」との連携が順調に進んでいる。このように、カテゴリーが増え連携が拡大していることから、下期を含め、当面の間2ケタの売上成長が続くことが予想される。加えて、2019年9月の新型iPhone特需でメディア事業とモバイル通信事業が大きな収益を挙げ、第2四半期累計の進捗率を押し上げたと推測されている。以上から、少なくとも2020年6月期業績に関して、期初の会社見通しを上回って着地する可能性が高くなったと考えられる。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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