テックファム Research Memo(1):2020年6月期業績は半期ベースでは上向きに転じる見通し

配信元:フィスコ
投稿:2020/03/25 16:11
■要約

テックファームホールディングス<3625>は、ICTソリューション事業(旧ソフトウェア受託開発事業)を展開するテックファーム(株)や自動車アフターマーケット向け業務支援システムの開発販売を行う(株)EBE(イーバ)、農水産物輸出ソリューション事業を展開する(株)We Agriなどを子会社化に持つ持株会社である。

1. 2020年6月期第2四半期累計業績の概要
2020年6月期第2四半期累計(2019年7月-12月)の連結業績は、売上高で前年同期比1.2%増の3,050百万円、営業損失で41百万円(前年同期は207百万円の利益)となった。ICTソリューション事業や自動車アフターマーケット事業が減収となるなかで、2019年3月に新たに子会社化したWe Agriの売上220百万円が加わったことで増収を維持した。一方、営業利益は既存事業の減収に伴う利益減に加えて、We Agriにおける輸出支援システムの開発費増やのれん償却73百万円の計上が響き、第2四半期累計としては3年ぶりの損失を計上した。上期の会社計画は公表していないものの、営業利益ベースでは若干の黒字を見込んでいたもようで、やや下振れた格好となっている。これは、自動車アフターマーケット向けに特化した業務支援システムや農水産物輸出ソリューション事業における輸出支援システムなどグループ内の開発に想定以上の時間とコストがかかり、特に、自動車アフターマーケット事業のガラス商・部品商向けシステムの販売が、予定をしていた上期から下期以降にずれ込んだことが要因となっている。

2. 2020年6月期業績見通し
2020年6月期の連結業績は、売上高で前期比21.3%増の8,000百万円、営業利益で同11.1%増の800百万円と期初計画を据え置いている。ただ、第2四半期までの進捗が計画を下回っていること、下期もグループ内での開発にリソースが削がれることから、会社計画はやや下振れする可能性があると弊社では見ている。とはいえ、下期は自動車アフターマーケット事業で部品商システムの販売増が期待できること、農水産物輸出ソリューション事業でも新規顧客の獲得により売上増が見込めることなどから、半期ベースで見れば収益は回復に向かうものと予想される。

3. 中期経営計画
同社は中経営計画の業績数値目標として、3年後の2022年6月期に売上高120億円、営業利益18億円、営業利益率15.0%を掲げている。ICTソリューション事業ではIoT/AIや5G、AR/VR領域など先端テクノロジー分野において、上流工程となるビジネス設計段階からの提案活動を進め、高付加価値化に取り組んでいく方針だ。2022年6月期の売上高は60億円を見込む(2019年6月期は50億円)。また、自動車アフターマーケット事業は、部品商向けに続いてガラス商向け業務支援システムを2021年から販売開始する予定で、売上高で30億円(同16億円)を目指す。農水産物輸出支援ソリューション事業では現在開発中の輸出支援システムを2020年6月までに完成し、顧客開拓を進めながら売上高15億円を目指す。残り15億円については、M&Aを含めた新たなプラットフォーム事業の創出に取り組んでいく方針となっている。計画達成のカギを握るのは、遅れ気味となっているグループ会社の製品・サービスの開発動向となる。予定どおりにリリースできれば2021年6月期以降は利益成長も加速していくものと弊社では見ている。

■Key Points
・2020年6月期第2四半期累計業績はWe Agriのグループ化により増収となったものの、開発投資の継続により営業損失を計上
・2020年6月期業績は計画未達の可能性が残るものの、半期ベースでは上向きに転じる見通し
・2022年6月期に売上高120億円、営業利益18億円、営業利益率15.0%を目標として掲げる

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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配信元: フィスコ

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