■株式相場見通し
予想レンジ:上限18000-下限16000円
来週の日経平均は、NY市場を睨んで不安定な動きが想定されるなか、7週ぶりに戻りを試す場面もありそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大は中国大陸から欧州・北米大陸に中心地が移り、景気悪化懸念が増大するなか、リスク回避の売りが広がっている。前週末にNYダウは20000ドルの大台を割り込み、トランプ氏が米大統領に就任して以来の上昇を消失することになった。NYダウは3月9日から18日までの8営業日連続で、前日比1000ドル以上の乱高下を繰り返しており、足元の日経平均はNYダウ先物の時間外取引の動向に左右される傾向が強まっている。アルゴリズム売買などによる先物主導での機械的な取引に振らされやすい展開が継続しよう。国内景況感への影響が大きい東京オリンピック開催問題のニュースフローも注目されやすい。コロナショックとなった世界の株式市場は「新型ウイルスの感染拡大」から「実体経済の悪化」懸念に視点が移っている段階だが、ここからは日米欧各国の景気対策の具体化が一段と期待される。こうしたなか、手元資金をドルで持っておきたいという投資家心理やECBの金融緩和政策を受けたリスク回避後退の動きから為替相場が円安傾向に転換していることは、東京市場にとって下支え要因として働く。週末27日は3月末の権利付き最終売買日であることから、配当などの権利確保で需給が一時的に締まり、日経平均は下値不安を抱えつつも戻りを試す場面がみられそうだ。
また、物色動向にも変化が表れ始めている。日経平均が乱高下を繰り返す一方で、TOPIXは19日にかけて3日続伸した。日銀は16日にETF買い入れ目標額の上限を従来の年6兆円から12兆円に引き上げることを決定した。これを受けて、日銀の1日あたりETF買い入れ額は3月に入り1002億円から1204億円に、19日には2004億円に急増した。19日の東証1部市場では、野村総合研究所<4307>、マツモトキヨシHD<3088>など裁定解消売りの影響を受けにくい「非日経225」の優良株の逆行高が目立ち、今後の物色動向を探るうえでヒントとなろう。物色人気は医療・薬品関連、ドラッグストアなどでも継続しそうだ。このほか、25日には米半導体大手マイクロン・テクノロジーの決算発表が予定されており、物色動向に影響を与えそうだ。このほか、NTTドコモ<9437>が25日、ソフトバンク<9434>が27日に5G(第5世代移動通信システム)サービスを開始することで、5G関連物色を刺激する可能性がある。
主な国内経済関連スケジュールは、24日に2月全国百貨店売上高、25日に3月16日開催の日銀金融政策決定会合議事録、26日に2月企業向けサービス価格指数、27日に3月末権利付き最終売買日がそれぞれ予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールでは、23日に米2月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米2月耐久財受注、米1月FHFA住宅価格指数、26日に英金融政策発表、米10-12月期国内総生産(GDP)確報値、27日に米2月個人所得・個人支出が予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円は下げ渋りか。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による金融市場の混迷は続いており、基本的にはドルが選好される地合いは変わらないとみられる。米連邦準備制度理事会(FRB)は3月15日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利を1ポイント(=100bp)引き下げ、0.00−0.25%とし、実質ゼロ金利政策に踏み切った。ただ、市場は景気の先行きに不安を強めており、リスク資産を整理する動きは続いている。
また、ウイルス感染の被害の中心はアジアから欧州に移り、ユーロ圏諸国への経済的な打撃を警戒したリスク回避的な円買いが観測されており、ユーロやポンドなど欧州通貨を押し下げている。こうしたなか、米トランプ政権は新型コロナウイルスの経済への悪影響を抑えようと、1兆ドル規模にのぼる経済対策を打ち出した。経営が悪化している企業への資金援助のほか納税の猶予、国民への直接的な現金給付などを盛り込む方針。また、米連邦準備制度理事会(FRB)はコマーシャルペーパー(CP)市場を通じた企業の借入れ支援を決定した。一方、トランプ政権の経済対策は歳出拡大回避の観点から議会との調整の難航も予想され、期待通りの対策にはならない可能性もあるため、株式などのリスク資産の換金売り(対象は株式、債券、一部商品など)は継続する可能性がある。アジア、欧州諸国などでドル需要は依然として強いことから、ドルは底堅い動きが続くとみられる。
■来週の注目スケジュール
3月23日(月):日・国債買い入れオペ・コンビニエンスストア売上高、ユーロ圏消費者信頼感指数など
3月24日(火):日・PMI・スーパーマーケット売上高・全国百貨店売上高・工作機械受注、欧米英独・各種PMI、米・新築住宅販売件数など
3月25日(水):日銀金融政策決定会合における主な意見(3月16日分)、NZ・貿易収支、タイ・中央銀行が政策金利発表、英・消費者物価コア指数、米・耐久財受注、米・FHFA住宅価格指数など
3月26日(木):日・企業向けサービス価格指数、ユーロ圏マネーサプライ、英・小売売上高指数、英中銀が政策金利発表、米・GDP確報値(10-12月)、ECB経済報告など
3月27日(金):日・東京CPI、中・工業利益、米・個人所得・個人消費支出など
<SK>
予想レンジ:上限18000-下限16000円
来週の日経平均は、NY市場を睨んで不安定な動きが想定されるなか、7週ぶりに戻りを試す場面もありそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大は中国大陸から欧州・北米大陸に中心地が移り、景気悪化懸念が増大するなか、リスク回避の売りが広がっている。前週末にNYダウは20000ドルの大台を割り込み、トランプ氏が米大統領に就任して以来の上昇を消失することになった。NYダウは3月9日から18日までの8営業日連続で、前日比1000ドル以上の乱高下を繰り返しており、足元の日経平均はNYダウ先物の時間外取引の動向に左右される傾向が強まっている。アルゴリズム売買などによる先物主導での機械的な取引に振らされやすい展開が継続しよう。国内景況感への影響が大きい東京オリンピック開催問題のニュースフローも注目されやすい。コロナショックとなった世界の株式市場は「新型ウイルスの感染拡大」から「実体経済の悪化」懸念に視点が移っている段階だが、ここからは日米欧各国の景気対策の具体化が一段と期待される。こうしたなか、手元資金をドルで持っておきたいという投資家心理やECBの金融緩和政策を受けたリスク回避後退の動きから為替相場が円安傾向に転換していることは、東京市場にとって下支え要因として働く。週末27日は3月末の権利付き最終売買日であることから、配当などの権利確保で需給が一時的に締まり、日経平均は下値不安を抱えつつも戻りを試す場面がみられそうだ。
また、物色動向にも変化が表れ始めている。日経平均が乱高下を繰り返す一方で、TOPIXは19日にかけて3日続伸した。日銀は16日にETF買い入れ目標額の上限を従来の年6兆円から12兆円に引き上げることを決定した。これを受けて、日銀の1日あたりETF買い入れ額は3月に入り1002億円から1204億円に、19日には2004億円に急増した。19日の東証1部市場では、野村総合研究所<4307>、マツモトキヨシHD<3088>など裁定解消売りの影響を受けにくい「非日経225」の優良株の逆行高が目立ち、今後の物色動向を探るうえでヒントとなろう。物色人気は医療・薬品関連、ドラッグストアなどでも継続しそうだ。このほか、25日には米半導体大手マイクロン・テクノロジーの決算発表が予定されており、物色動向に影響を与えそうだ。このほか、NTTドコモ<9437>が25日、ソフトバンク<9434>が27日に5G(第5世代移動通信システム)サービスを開始することで、5G関連物色を刺激する可能性がある。
主な国内経済関連スケジュールは、24日に2月全国百貨店売上高、25日に3月16日開催の日銀金融政策決定会合議事録、26日に2月企業向けサービス価格指数、27日に3月末権利付き最終売買日がそれぞれ予定されている。一方、米国など海外主要スケジュールでは、23日に米2月シカゴ連銀全米活動指数、25日に米2月耐久財受注、米1月FHFA住宅価格指数、26日に英金融政策発表、米10-12月期国内総生産(GDP)確報値、27日に米2月個人所得・個人支出が予定されている。
■為替市場見通し
来週のドル・円は下げ渋りか。新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による金融市場の混迷は続いており、基本的にはドルが選好される地合いは変わらないとみられる。米連邦準備制度理事会(FRB)は3月15日、緊急の連邦公開市場委員会(FOMC)を開催し、政策金利を1ポイント(=100bp)引き下げ、0.00−0.25%とし、実質ゼロ金利政策に踏み切った。ただ、市場は景気の先行きに不安を強めており、リスク資産を整理する動きは続いている。
また、ウイルス感染の被害の中心はアジアから欧州に移り、ユーロ圏諸国への経済的な打撃を警戒したリスク回避的な円買いが観測されており、ユーロやポンドなど欧州通貨を押し下げている。こうしたなか、米トランプ政権は新型コロナウイルスの経済への悪影響を抑えようと、1兆ドル規模にのぼる経済対策を打ち出した。経営が悪化している企業への資金援助のほか納税の猶予、国民への直接的な現金給付などを盛り込む方針。また、米連邦準備制度理事会(FRB)はコマーシャルペーパー(CP)市場を通じた企業の借入れ支援を決定した。一方、トランプ政権の経済対策は歳出拡大回避の観点から議会との調整の難航も予想され、期待通りの対策にはならない可能性もあるため、株式などのリスク資産の換金売り(対象は株式、債券、一部商品など)は継続する可能性がある。アジア、欧州諸国などでドル需要は依然として強いことから、ドルは底堅い動きが続くとみられる。
■来週の注目スケジュール
3月23日(月):日・国債買い入れオペ・コンビニエンスストア売上高、ユーロ圏消費者信頼感指数など
3月24日(火):日・PMI・スーパーマーケット売上高・全国百貨店売上高・工作機械受注、欧米英独・各種PMI、米・新築住宅販売件数など
3月25日(水):日銀金融政策決定会合における主な意見(3月16日分)、NZ・貿易収支、タイ・中央銀行が政策金利発表、英・消費者物価コア指数、米・耐久財受注、米・FHFA住宅価格指数など
3月26日(木):日・企業向けサービス価格指数、ユーロ圏マネーサプライ、英・小売売上高指数、英中銀が政策金利発表、米・GDP確報値(10-12月)、ECB経済報告など
3月27日(金):日・東京CPI、中・工業利益、米・個人所得・個人消費支出など
<SK>
関連銘柄
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3088
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(15:30)
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-7.5
(-0.35%)
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4307
|
4,482.0
(15:30)
|
-53.0
(-1.16%)
|
9434
|
196.0
(15:30)
|
+1.5
(+0.77%)
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9437
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3,880.0
(12/24)
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0.0
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