ESG3400兆円のインパクト、世界的な投資本格化で狙える6銘柄 <株探トップ特集>

配信元:株探
投稿:2020/02/18 19:30

―今秋に「責任投資原則」年次総会が東京で開催へ、米ブラックロックも環境宣言を実施―

 株式市場で ESG投資に向けた関心が一段と高まっている。地球温暖化の影響で昨年は、世界の平均気温が観測史上2番目の高さを記録した。世界的な環境問題への意識が高まるなか、株式市場ではESGをベンチマーク(指針)とする投資が活発化している。今年は秋に東京でESG投資に関する重要会議が開催される予定であり、関連銘柄の活躍機運が膨らみそうだ。

 ■ESG投資は世界の主流、欧州では約5割を占める

 「ESG」とは環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の頭文字を取ったもの。気候変動や人口増加といった地球規模の課題解決に向け、投資の際にこれらの基準を取り入れる動きを指す。国連は地球温暖化の抑制や貧困の撲滅などの「持続可能な開発目標(SDGs)」を掲げており、金融界でのESG投資の盛り上がりは国連の動きとも連動している。

 「世界持続可能投資連合」(GSIA)によると18年の世界のESG投資額は16年に比べ3割強増加し、30兆6830億ドル(約3360兆円)に達している。欧州では、ESG投資の比率は約5割前後となっている。日本は18%程度だが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)がESG投資を取り入れたこともあり、その比率は急拡大している。

 ■ダボス会議で「環境」が話題、PRI年次総会に向け注目度上昇へ

 特に、直近では今年の1月に開催された世界経済フォーラム年次総会(ダボス会議)で、環境問題が最大のテーマとして取り上げられ、17歳の環境活動家グレタ・トゥーンベリさんの演説が注目を集めた。また、米国の大手資産運用会社ブラックロックは1月に、ESGを軸とした運用を強化することを宣言し、石炭株など化石燃料関連への投資を削減する一方、ESG関連の上場投資信託(ETF)の数を増やす方針を明らかにした。また、今年の米大統領選では、民主党のバーニー・サンダース候補などが環境問題を重視している。

 世界的な環境規制強化のなか、ESG投資拡大の追い風は強まっているが、特に日本の株式市場にとって見逃せないことは、ESGに絡む「責任投資原則(PRI)」の年次総会が10月に東京で初めて開催されることだ。同総会では、世界の機関投資家や有識者が集まりESGを巡る様々な問題を議論するものであり、このPRI総会に向けてESG関連株に対する関心は高まっていくことが予想される。以下、ESGで注目される6銘柄を紹介する。

プレステージ・インターナショナル <4290> ~コールセンターなどサービス業務受託を展開。女性管理者比率の50%を目標に「女性活躍推進プロジェクト」を展開。地方都市での雇用創出にも力を入れる。

アズビル <6845> ~制御・自動化機器で高シェア。ビルディングオートメーション(BA)事業などが好調で最高益基調にある。女性の活躍を推進。ESG関連の主要指数に採用実績を持つ。

エフピコ <7947> ~食品トレー・弁当容器の最大手。食品トレーのリサイクルで高評価。障害者雇用を積極的に展開し、19年3月末時点で359人(雇用率13.6%)を雇用している。

丸井グループ <8252> ~小売り事業に加え、消費電力の100%を再生可能エネルギーで調達する「RE100」に参加するなど環境志向が強い。障害者の社会進出も推進。主要なESG指数に採用され、投資家からの評価が高い。

アドバンテッジリスクマネジメント <8769> ~メンタリティマネジメントが主力。就業障害者支援事業を手掛けるほか、健康経営支援サービスを展開している。

KSK <9687> [JQ]~独立系ソフトウェア会社。「全社禁煙宣言」で15年11月以降、喫煙者ゼロ人を継続。メンタルヘルス不調防止に向けありがとうの気持ちを伝える「スマイルカード制度」を導入している。

株探ニュース
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