NYコラム(15日)米中貿易協議第1弾の合意内容を慎重に見極めへ

著者:加藤裕一
投稿:2020/01/15 21:58

▶︎NY株式市場(15日)米中貿易協議第1弾の合意内容を慎重に見極めへ

米中貿易協議の署名式は、日本時間16日午前1時半頃からワシントンで行われ、第1段階の詳細な合意内容が明らかになる。今晩のアメリカ株式市場では、取引時間中にリアルタイムで具体的な合意内容が伝わるにつれて株価が反応を示すことになるであろう。いずれにしても、今晩の合意内容は、ミニマム・サイズ(既に報じられた規模/対中輸出総額2000億ドル)に留まることを前提に相場を見ていきたい。来月には対中関税第4弾の税率が15%から7.5%に引き下げられる。第1段階の合意内容は、定期的な検査を行い、第2段階に向けた交渉が、可及的速やかに始まる。トランプ大統領は、「第2段階の合意は11月のアメリカ大統領選挙が終わってからでも遅くはない」とのディール・スタンスを押し出してくるのであろう。まさにトランプ政権は、13日に公表した中国の「為替操作国」解除なども含め市場へのアナウンスメント効果を効かせている状況だ。January Effect=1月効果を享受しながら上昇トレンドを続けているアメリカ株式市場に向うグローバル・マネーの動きに、変調は生じにくいと認識しておきたい。

▶︎米金融株の決算発表が続くーゴールドマン・サックス決算に注目

15日の取引開始前にゴールドマン・サックスやユナイテッドヘルスなどが決算発表を行う。ダウ構成銘柄では、EPSが市場予想を下回ったゴールドマン・サックスをはじめユナイテッドヘルス・グループは低調な決算を発表して、時間外取引で軟調。今晩は、決算銘柄によるダウ平均の押し上げ効果は、期待しにくい相場環境だ。
加藤裕一
米国株ストラテジスト
配信元: 達人の予想