今週の米ドル/円予想 日足の一目は三役逆転に(1/6週)

著者:山口哲也
投稿:2020/01/06 12:51

【先週のドル/円の動向と今週の主要イベント】

今週の主要イベント
 先週の米ドル/円は大幅下落。109.520で寄り天となった米ドル/円は、週初、米株の下落でリスクオフとなったことから109円を割り込んで軟調に推移。
週末となる1月3日にはイランのトップ司令官が米国の空爆により死亡との報道を受けてリスクオフの円買いとなり、108円も割り込む展開に。
NY時間には米ISM製造業景気指数が史上予想を下回ったことやイラク内の米軍基地にミサイルが飛んだとの報道もあり、一時107.83まで下落しましたが、その後、ミサイル発射報道が否定されたことを受けて、引けにかけて値を戻し、108.095で引けました。
今週は、雇用統計など主要な経済指標もありますが、1月4日から3日間の喪が明ける1月7日以降に何かしらの報復がある可能性もあり、当面のマーケットはリスク回避的になりやすいと考えられます。

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】

【米ドル/円(TFX)週足 チャート】
週足チャートは、2018年12月の高値と1019年4月の高値を結んだ下降トレンドラインに沿って推移しています。
また、ストキャスティクスも%D(62%)がSlow%D(76%)を下回り、それぞれ80%台から下降基調に推移しています。
先週は、52週MA(108.960)や13週MA(108.802)を割り込んでおり、当面はこれらがレジスタンスとして意識されます。
一方、26週MA(107.952)で辛うじて下支えされていますが、今週はこれを割り込んでくる可能性が高いと予想しています。

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】

【米ドル/円(TFX)日足 チャート】
日足チャートの一目均衡表は三役逆転が形成されつつあります。
既に、遅行スパン(日々線と遅行スパン)と均衡表(基準線と転換線)は逆転しており、日足の終値ベースで日々線が雲を下回る(雲と日々線の逆転)と三役逆転です。
遅行スパンが一目の雲に下支えされており、当面は昨年10月の安値107.80がサポートとして意識されますが、ストキャスティクスは、%Dが18%、Slow%Dが20%で弱いモメンタムを示唆しており、引き続き上値の重い展開が予想されます。


このコメントは弊社チーフテクニカルアナリスト山口の個人的な見解で、内容を保証するものではありません。また、売買を推奨するものでもありません。ご理解のほどよろしくお願いいたします。チャート画像を拡大したものを、フジトミ公式ツイッター「 日経平均株価指数のフジトミ https://twitter.com/fujitomi_8740 」にアップしています。
山口哲也
フジトミ証券株式会社 チーフ・テクニカルアナリスト
配信元: 達人の予想