■今後の見通し
エレマテック<2715>は2020年3月期第2四半期決算の見通しが固まった2019年10月28日付で2020年3月期通期見通しを下方修正した。
修正後の新予想は、売上高188,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益5,700百万円(同10.0%減)、経常利益5,500百万円(同11.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,950百万円(同17.4%増)と、増収減益となっている。
親会社株主に帰属する当期純利益が前期比増益となっているのは、2019年3月期に法人税等調整額が約11億円発生した特殊事情のためだ。この点を調整すると2019年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は4,448百万円だったことになり、これとの比較では営業利益や経常利益同様、前期比11.2%の減益となる。
売上高の下方修正について同社は、米中貿易摩擦の長期化によって中国経済の減速の影響などにより事業環境が悪化していることや、その中で、同社固有の要因として自動車関連ビジネスでの新規案件の受注の遅れが発生したこと、スマートフォン関連ビジネスが想定を下回る水準で推移していること等を挙げている。
マーケット別売上高の動向については以下のとおりだ。
Digital Electronicsは前期比7.3%減収の83,614百万円を予想している。期初予想の93,425百万円からは約100億円の下方修正となった。主な変動要因としてモバイル端末が前期比4,050百万円の減収を想定しているのは、第2四半期決算同様、同社の取引先の事情による影響だ。液晶・TP・BLについては、スマートフォンから自動車関連へと最終向け先市場が移行しつつある中で、自動車向け液晶パネル関連ビジネスの立ち上げが計画よりも遅れている影響で、前期比較で減収の見込みとなっている。電気・電子部品の減収については中国経済減速による影響とみられる。
Automotiveは前期比11.0%増収の29,725百万円を予想している。2ケタ増収ではあるが期初予想からは若干(335百万円)下方修正となった。自動車関連売上高は全般的に順調に拡大を続けており、今回の下方修正も第2四半期実績を踏まえた微調整の範囲内の動きと弊社ではみている。
Broad Marketは前期比12.5%増収の74,660百万円を予想している。期初予想との比較では2,854百万円の下方修正となった。ドライブレコーダー等のアフターマーケットは前期比2,952百万円増収と好調が続くほか、モーター、インフラ・エネルギー、医療機器なども前期比増収となる見通しだ。一方で、産業機械向けなどは米中貿易摩擦とそれに伴う中国の生産活動の減速などにより前期比減収となっているとみられ、それが想定以上に拡大していると弊社では推測している。
以上のような見通しではあるが、2020年3月期下期については例年になく不透明要因が多く、予想に対して上下に動く可能性が高い。言うまでもなく米中貿易摩擦の影響が大きい。ポジティブ方向のシナリオとしては、米中が手打ちに向かうケースだ。米国は関税措置第4弾まで打ち出し、中国からの輸入のほぼ総額を対象にし終えた状況にある。今後も関税率の引き上げという形で摩擦が一段と激化する可能性はあるが、一通りの関税措置を打ち出したことで達成感を迎え、今後は緩和に向けた協議や各種合意が進展する可能性もある。
ネガティブ方向は言うまでもなく関税率の引き上げや中国企業への制裁(事実上の禁輸措置)数の拡大などが考えられる。これらをもたらす背景的要因には米国大統領選挙や香港の民主化運動に関連した香港人権法案などがあり、先行きが極めて読みにくい状況となっている。
弊社では、こうした外部環境の変化に対する収益の抵抗力という点では、同社の相対的優位性は揺るがないと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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エレマテック<2715>は2020年3月期第2四半期決算の見通しが固まった2019年10月28日付で2020年3月期通期見通しを下方修正した。
修正後の新予想は、売上高188,000百万円(前期比2.5%増)、営業利益5,700百万円(同10.0%減)、経常利益5,500百万円(同11.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益3,950百万円(同17.4%増)と、増収減益となっている。
親会社株主に帰属する当期純利益が前期比増益となっているのは、2019年3月期に法人税等調整額が約11億円発生した特殊事情のためだ。この点を調整すると2019年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は4,448百万円だったことになり、これとの比較では営業利益や経常利益同様、前期比11.2%の減益となる。
売上高の下方修正について同社は、米中貿易摩擦の長期化によって中国経済の減速の影響などにより事業環境が悪化していることや、その中で、同社固有の要因として自動車関連ビジネスでの新規案件の受注の遅れが発生したこと、スマートフォン関連ビジネスが想定を下回る水準で推移していること等を挙げている。
マーケット別売上高の動向については以下のとおりだ。
Digital Electronicsは前期比7.3%減収の83,614百万円を予想している。期初予想の93,425百万円からは約100億円の下方修正となった。主な変動要因としてモバイル端末が前期比4,050百万円の減収を想定しているのは、第2四半期決算同様、同社の取引先の事情による影響だ。液晶・TP・BLについては、スマートフォンから自動車関連へと最終向け先市場が移行しつつある中で、自動車向け液晶パネル関連ビジネスの立ち上げが計画よりも遅れている影響で、前期比較で減収の見込みとなっている。電気・電子部品の減収については中国経済減速による影響とみられる。
Automotiveは前期比11.0%増収の29,725百万円を予想している。2ケタ増収ではあるが期初予想からは若干(335百万円)下方修正となった。自動車関連売上高は全般的に順調に拡大を続けており、今回の下方修正も第2四半期実績を踏まえた微調整の範囲内の動きと弊社ではみている。
Broad Marketは前期比12.5%増収の74,660百万円を予想している。期初予想との比較では2,854百万円の下方修正となった。ドライブレコーダー等のアフターマーケットは前期比2,952百万円増収と好調が続くほか、モーター、インフラ・エネルギー、医療機器なども前期比増収となる見通しだ。一方で、産業機械向けなどは米中貿易摩擦とそれに伴う中国の生産活動の減速などにより前期比減収となっているとみられ、それが想定以上に拡大していると弊社では推測している。
以上のような見通しではあるが、2020年3月期下期については例年になく不透明要因が多く、予想に対して上下に動く可能性が高い。言うまでもなく米中貿易摩擦の影響が大きい。ポジティブ方向のシナリオとしては、米中が手打ちに向かうケースだ。米国は関税措置第4弾まで打ち出し、中国からの輸入のほぼ総額を対象にし終えた状況にある。今後も関税率の引き上げという形で摩擦が一段と激化する可能性はあるが、一通りの関税措置を打ち出したことで達成感を迎え、今後は緩和に向けた協議や各種合意が進展する可能性もある。
ネガティブ方向は言うまでもなく関税率の引き上げや中国企業への制裁(事実上の禁輸措置)数の拡大などが考えられる。これらをもたらす背景的要因には米国大統領選挙や香港の民主化運動に関連した香港人権法案などがあり、先行きが極めて読みにくい状況となっている。
弊社では、こうした外部環境の変化に対する収益の抵抗力という点では、同社の相対的優位性は揺るがないと考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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