日ダイナミク Research Memo(1):トータルソリューションを強みとして強固な顧客基盤を構築

配信元:フィスコ
投稿:2019/12/11 15:01

■要約

1. トータルソリューションを強みとして強固な顧客基盤を構築
日本コンピュータ・ダイナミクス<4783>は、トータル・ソリューション・プロバイダーとして、IT関連のシステム開発事業(システム・インテグレーション)、サポート&サービス事業(サービス・インテグレーション)、及びITソリューションのノウハウを活用して参入した無人駐輪場関連のパーキングシステム事業(パーキング・ソリューション)を展開し、経営の3本柱としている。最新の情報技術と豊富なアプリケーション知識を活用して、ワンストップでサービスを提供するトータルソリューションが強みである。独立系として50年以上にわたる豊富な実績で培った高技術・高品質サービスで、大手生損保、大手エネルギー会社、大手メーカーなどと強固な顧客基盤を構築している。

2. プロジェクト管理徹底してストック型収益も拡大
収益特性・リスク要因への対策として、プロジェクト管理の徹底や、全社的な業務プロセスの改善を推進している。また2019年3月期のフロー・ストック別売上高構成比は、IT関連事業(システム開発事業、サポート&サービス事業)ではフロー(システム開発・構築等)が24%、ストック(保守・運用等)が76%、パーキングシステム事業ではフロー(駐輪場機器販売等)が26%、ストック(駐輪場利用料収入、駐輪場管理・運営等)が74%だった。プロジェクト管理の徹底や全社的な業務プロセスの改善に加えて、各事業におけるストック型収益の拡大が安定収益源となり、収益力向上につながっている。

3. 2020年3月期第2四半期累計の連結業績は増収・減益
2020年3月期第2四半期累計の連結業績は、売上高が前年同期比6.9%増の8,752百万円、営業利益が41.3%減の325百万円、経常利益が40.9%減の343百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が41.3%減の230百万円だった。売上面ではシステム開発事業とパーキングシステム事業が順調に伸長して増収だが、利益面ではサポート&サービス事業の低採算案件のリカバリーのための外注費・労務費の増加に加えて、働き方改革に向けた全社的な職場環境整備費用の増加、ガバナンス強化に向けた管理部門の人員増強に伴う人件費の増加も影響して減益だった。

4. 2020年3月期通期の連結業績は増収・営業微減益予想を据え置き
2020年3月期通期の連結業績予想は期初計画を据え置いて、売上高が前期比5.8%増の18,000百万円、営業利益が4.3%減の1,000百万円、経常利益が8.2%減の1,000百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が10.5%増の680百万円としている。各事業とも案件を順調に積み上げて9期連続増収だが、サポート&サービス事業における低採算案件の影響、生産性向上に向けた全社的な業務プロセス改善・職場環境整備関連費用の増加などで営業微減益予想としている。親会社株主に帰属する当期純利益は特別損失が一巡して増益予想である。なおサポート&サービス事業における低採算案件については下期に採算改善を見込んでいる。

5. 良好な市場環境も背景として中期的に収益拡大・高収益化期待
下條治(しもじょうおさむ)代表取締役社長は「これまでの堅実経営にとどまらず、IT業界の変化に対応して新分野へのチャレンジに積極的に取り組んでいる。現中期経営計画最終年度の2020年3月期はサポート&サービス事業の低採算案件の影響、働き方改革に向けた全社的な職場環境整備、ガバナンス強化に向けた管理部門の人員増強などで営業微減益予想だが、次期中期経営計画ではさらにアグレッシブな戦略で収益力向上を目指し、株主還元の充実にも取り組みたい。」と語っている。全社的な重点戦略として、収益性向上に向けた諸施策(全社的な業務プロセス改善、IT関連事業におけるプロジェクト管理の徹底、各事業におけるストック型収益の拡大、シナジー効果を狙ったグループ会社の役割分担と連携、新規サービス・新規事業の創出)に取り組んでいる。良好な市場環境も背景として中期的に収益拡大・高収益化が期待される。

■Key Points
・システム開発、サポート&サービス、パーキングシステムが3本柱
・プロジェクト管理徹底してストック型収益も拡大
・良好な市場環境も背景として中期的に収益拡大・高収益化期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


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配信元: フィスコ

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