【これからの見通し】米中通商協議関連の報道に神経質、後遺症残るか

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/11/19 15:53
【これからの見通し】米中通商協議関連の報道に神経質、後遺症残るか

 昨日のNY市場序盤に、ドル円が一気に109円台割れから108円台半ばへと下落した。米債利回りも急速に低下した。CNBCの記者のツイートに敏感に反応していた。ツイートによると、中国当局は貿易交渉について悲観的なムードだった、という。この手の報道でドル円が50銭も反応したことになる。それだけ、市場は米中通商協議の関連した報道に過敏になっているということだろう。

 週末にはクドロー米NEC委員長の前向きな発言報道が、円安の動きにつながった矢先のことだった。きょうも米中双方からの情報発信には注意しておきたい。

 また、ドル円が109円台乗せでは売りに押されがちなことも影響したか。ポンドドルは1.30台乗せが一つの関門となっているようだ。上値を攻めあぐねたタイミングも重なったのかもしれない。

 そのようなピリピリした相場ムードのなかで、きょうはユーロ圏経常収支(9月)、カナダ製造業売上高(9月)、米住宅着工件数(10月)、米住宅建設許可件数(10月)などの経済指標発表が予定されている。また、金融当局者の発言関連では、ウィリアムズNY連銀総裁、ウィルキンス加中銀副総裁などの講演が予定されている。市場に前日の値動きの後遺症があるようだと、ファンダメンタルズ系の材料には素直に反応しにくい可能性があろう。

 米債利回りや株式市場などの反応をにらみながら、慎重な取引姿勢がみられそうだ。
 
MINKABU PRESS 松木秀明

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