ドル/円、サポートを維持できるか=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2019/11/14 08:54

ドル/円、サポートを維持できるか

昨日のドル/円は、米中通商協議を巡る楽観的な見方が後退する中、調整含みの推移となり、一時108.60円台まで下落した。米紙が「米中協議は農産物購入を巡り暗礁に乗り上げた」などと報じた事が重しとなった。ただ、米国株が持ち直したため下値追求の動きは見られず小戻しており、20日移動平均線や日足一目均衡表の転換線にサポートされた格好。

本日は、中国で10月鉱工業生産や10月小売売上高の発表が予定されている他、独7-9月期国内総生産(GDP)・速報値が発表される。両国ともに景気減速が懸念されているだけに、グローバルな市場センチメントへの影響が気になるところで、主要株式市場の反応に注目したい。また、米国では10月生産者物価指数や前週分の新規失業保険申請件数が発表される。ドル/円は、これらを踏まえて108.70-80円前後に切り上がったサポートを維持できるかが焦点となろう。サポートを維持できれば、109円台の早期回復も見込める一方、仮に下抜けるようなら日足一目均衡表の基準線が通る108.20円台まで下値余地が広がりそうだ。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想