明光ネット Research Memo(5):明光義塾事業は減少が続くものの、1教室平均生徒数は期末ベースで増加(2)

配信元:フィスコ
投稿:2019/11/12 15:05
■業績動向

(4)その他事業
明光ネットワークジャパン<4668>のその他事業の売上高は前期比0.5%増の3,921百万円、セグメント利益は同22.8%増の186百万円と増収増益が続いた。日本語学校及び古藤事務所ののれん償却費が243百万円となっており、のれん償却費控除前利益で見ると同8.6%増の430百万円となる。

主力事業の動向を見ると、早稲田アカデミー個別進学館の売上高は前期比5.9%増の532百万円、営業利益は17百万円(前期は11百万円の損失)となった。期末校舎数は前期末比横ばいの35校(同社直営8校、MAXIS直営5校、FC校9校、早稲田アカデミー直営13校)にとどまったが、在籍生徒数が同9.9%増の3,120人と順調に拡大し、増収増益要因となった。

キッズ事業は学童保育需要の増加を追い風に、売上高で前期比30.9%増の390百万円、営業利益で同666.7%増の23百万円と好調に推移した。直営スクールにおける生徒数増加に加えて、早期収益化が可能なFC加盟型、公設民営型、運営受託型等の様々な運営形態で展開してきたことが高成長につながっている。期末スクール数は25スクール(直営7スクール、学童クラブ3施設、FC及び運営受託等15施設)と前期末比で6スクール増加し(学童クラブで2施設増、FC及び運営受託等で4施設増)、在籍スクール生は同14.2%増の1,144人となった。

サッカー事業の売上高は前期比0.2%減の141百万円、営業利益は同28.6%増の9百万円となった。期末スクール数が前期末比1校増の14校、生徒数は同3.2%増の870人と4期ぶりに増加に転じた。2018年8月期よりスクール形態を、将来のプロ選手を目指すための本格的な指導を行う明光サッカーアカデミーと、実践的なスキルを身に付けサッカーが上手くなる楽しさを提供する明光サッカースクールの2形態に見直したことや、夏期イベントとして海外キャンプ(スペイン)を初めて実施し、入会促進を図ったことなどが生徒数増加につながったと見られる。

外国人向け日本語学校事業は連結子会社の(株)早稲田EDUが運営する「早稲田EDU日本語学校」と、国際人材開発(株)が運営する「JCLI日本語学校」の2つのブランドで展開している。2社合計の売上高は前期比3.3%増の1,361百万円、営業利益は同57.7%増の82百万円となった。のれん償却費(169百万円)控除前営業利益で見ると同13.5%増の252百万円となり、利益率は約18%と高収益事業となっている。期末在籍生徒数は前期末比1.9%減の1,782人と若干減少した。「早稲田EDU日本語学校」が同1.6%増の697人と堅調に推移したものの、「JCLI日本語学校」が同4.1%減の1,085人と落ち込んだことが響いた。ミャンマーやスリランカからの入国審査が厳しくなったことを受け、7月期における入学生徒数が減少したことが要因となっている。「JCLI日本語学校」では生徒募集を中国等の他の国にも広げることで生徒数を回復していく考えだ。なお、定員数は「早稲田EDU日本語学校」が710人、「JCLI日本語学校」が1,380人となっている。

学校支援・出版事業は連結子会社の古藤事務所、ユーデック、晃洋書房の3社で展開しており、合計売上高は前期比7.7%減の1,387百万円、営業利益は同67.6%減の61百万円となった。古藤事務所については主軸の大学入試問題ソリューション事業が堅調に推移し、売上高で前期比2.6%増の531百万円と会社計画どおりとなったものの、ユーデックが進学模擬試験サービスの減少により同14.6%減の540百万円となったほか、晃洋書房も新刊発行点数の減少により同10.5%減の315百万円と低調に推移したことが減収減益要因となった。

その他として個別英語塾「ESL club」※(1校)、ICTを活用した個別指導学習塾「スタディクラブ」(3校)、海外事業等が含まれている。

※「ESL club」は個別英語塾(バイリンガル講師1人に対して生徒2名まで)で、小学生で英検2級の合格を目指すハイレベルな教育サービスを提供しており、運営会社がMAXISから明光ネットワークジャパンに移っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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