米雇用統計終えて関心は米中問題に=外為どっとコム総研 神田卓也

著者:神田卓也
投稿:2019/10/07 08:57

米雇用統計終えて関心は米中問題に

4日のドル/円は、米9月雇用統計を受けてひとしきり上下したが、その後は次第に動きが鈍り、前日比ほぼ横ばいの106.90円台でクローズした。米9月雇用統計は、雇用者の伸びが概ね予想通りで、失業率は半世紀ぶりの水準に低下。一方、平均時給は伸びが鈍化するなど好悪入り混じる結果であった。結果的に米9月ISM製造業景況指数・非製造業景況指数の悪化を受けて広がった米景気減速懸念を払拭することはできなかった。

米9月雇用統計が消化不良気味となった事で、市場の関心はひとまず米中貿易戦争に向かう事になりそうだ。今週は、本日から明日8日にかけて次官級通商協議が開催され、10-11日には閣僚級協議が行われる。こうした中、トランプ米大統領は「合意締結の可能性という観点では今が非常に重要な段階であり、合意に至れば、過去最大の通商合意になるだろう」と述べた。一方で、「中国は米国との協議を前に通商合意の範囲を狭めつつある」とする関係者の話も伝わっている。本日のドル/円は、米中通商協議に絡む観測報道に振らされやすい地合いの中、106円台後半を中心にもみ合う展開となりそうだ。
神田卓也
株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長
配信元: 達人の予想