■サカタインクス<4633>の今後の見通し
2. セグメント別の業績見通し
修正後のセグメント別予想(連結調整前、為替影響排除前)動向、及び重点施策は以下のとおりである。
印刷インキ・機材(日本)は、売上高が前期比2.6%減の53,313百万円、営業利益が同6.4%減の1,055百万円としている。拡販、販売価格改定、コストダウン等の施策を推進するが、上期の減収減益の影響で通期も下振れて減収減益予想である。ただし原材料価格上昇が下期に落ち着き、半期ベースで見ると下期の回復を見込んでいる。重点施策としては、トータルソリューションの提案、パッケージ分野における植物由来成分含有ボタニカルインキシリーズの拡販を推進する。さらに地球環境問題を背景に紙袋の需要増加が予想されるため、新たな展開としてボタニカルインキシリーズの紙器用インキ「エコプラーダ」「エコピーノ」の拡販も推進する。
印刷インキ(アジア)は、売上高が前期比12.5%増の36,190百万円、営業利益が同68.8%増の2,581百万円としている。為替換算影響、上期のインドネシアにおける需要伸び悩みの影響で、売上高は期初計画に対して下振れの形となったが、営業利益は大幅上振れとなる。パッケージ用印刷インキを中心とする販売数量増加効果、タイ子会社の新規連結効果、販売価格改定効果、コストダウン効果に加えて、原材料価格上昇が想定を下回っていることも寄与する。インドネシアの需要は下期回復見込みとしている。
重点施策として、製品開発から現地生産まで行える体制の構築、パッケージ印刷インキ分野の中級~高級品をターゲットにした戦略展開、グループネットワークを生かした販売拡大、グループシナジーによる原材料コストの削減、地域密着型製品の展開及び技術サービスの充実等を推進する。なおバングラデシュに新工場を建設するため2019年1月に用地を取得した。需要拡大に現地生産で対応する。2020年12月の完工を予定している。
印刷インキ(米州)は、売上高が前期比7.9%増の48,503百万円、営業利益が同75.1%増の1,737百万円としている。期初計画に対して売上高はオフセットインキの需要減などでわずかに下振れるが、営業利益は大幅に上振れる見込みだ。パッケージ印刷インキ(フレキソインキ、グラビアインキ、缶用メタルインキ、UVインキ)を中心とする販売数量増加効果、ブラジル子会社の新規連結効果、販売価格改定効果、コストダウン効果に加えて、原材料価格上昇が想定を下回っていることも寄与する。重点施策として、高性能ラミネート用フレキソインキ、グラビアインキの新製品、UV・EB硬化型インキ等の拡販を推進し、南米市場への積極展開、TPM活動推進による生産性向上・コストダウンなども推進する。
印刷インキ(欧州)は、売上高が前期比6.4%増の9,921百万円、営業損失が同690百万円(2018年12月期は791百万円の損失)としている。生産・販売体制再編を推進し、販売数量増加による増収効果で営業損失が縮小する。なお期初計画に対しては、売上高は上振れるが、増産に伴うコスト増加で営業損失は拡大する見込みだ。重点施策として生産体制再編による拡販と効率化を推進し、2020年12月期黒字化を目指している。
機能性材料は、売上高が8.9%増の前期比13,264百万円、営業利益が同10.5%減の1,094百万円としている。おおむね期初計画水準の増収減益予想である。需要は好調に推移するが、市場環境・競合環境による製品ミックス悪化や販売価格低下、原材料価格上昇などで減益見込みである。重点施策として、インクジェットインキではプリンターメーカーとの関係強化、グローバルな生産・販売体制の強化、産業用途への拡大、カラーフィルター用顔料分散液では高品質製品の市場投入、レジストメーカーとの関係強化、新規ディスプレイ用発光材料の開発、ディスプレイのフィルム化・IoT発展に貢献する新規材料群の研究、機能性コーティング剤ではエネルギー・光学・エレクトロニクス系コーティング分野への参入を推進する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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2. セグメント別の業績見通し
修正後のセグメント別予想(連結調整前、為替影響排除前)動向、及び重点施策は以下のとおりである。
印刷インキ・機材(日本)は、売上高が前期比2.6%減の53,313百万円、営業利益が同6.4%減の1,055百万円としている。拡販、販売価格改定、コストダウン等の施策を推進するが、上期の減収減益の影響で通期も下振れて減収減益予想である。ただし原材料価格上昇が下期に落ち着き、半期ベースで見ると下期の回復を見込んでいる。重点施策としては、トータルソリューションの提案、パッケージ分野における植物由来成分含有ボタニカルインキシリーズの拡販を推進する。さらに地球環境問題を背景に紙袋の需要増加が予想されるため、新たな展開としてボタニカルインキシリーズの紙器用インキ「エコプラーダ」「エコピーノ」の拡販も推進する。
印刷インキ(アジア)は、売上高が前期比12.5%増の36,190百万円、営業利益が同68.8%増の2,581百万円としている。為替換算影響、上期のインドネシアにおける需要伸び悩みの影響で、売上高は期初計画に対して下振れの形となったが、営業利益は大幅上振れとなる。パッケージ用印刷インキを中心とする販売数量増加効果、タイ子会社の新規連結効果、販売価格改定効果、コストダウン効果に加えて、原材料価格上昇が想定を下回っていることも寄与する。インドネシアの需要は下期回復見込みとしている。
重点施策として、製品開発から現地生産まで行える体制の構築、パッケージ印刷インキ分野の中級~高級品をターゲットにした戦略展開、グループネットワークを生かした販売拡大、グループシナジーによる原材料コストの削減、地域密着型製品の展開及び技術サービスの充実等を推進する。なおバングラデシュに新工場を建設するため2019年1月に用地を取得した。需要拡大に現地生産で対応する。2020年12月の完工を予定している。
印刷インキ(米州)は、売上高が前期比7.9%増の48,503百万円、営業利益が同75.1%増の1,737百万円としている。期初計画に対して売上高はオフセットインキの需要減などでわずかに下振れるが、営業利益は大幅に上振れる見込みだ。パッケージ印刷インキ(フレキソインキ、グラビアインキ、缶用メタルインキ、UVインキ)を中心とする販売数量増加効果、ブラジル子会社の新規連結効果、販売価格改定効果、コストダウン効果に加えて、原材料価格上昇が想定を下回っていることも寄与する。重点施策として、高性能ラミネート用フレキソインキ、グラビアインキの新製品、UV・EB硬化型インキ等の拡販を推進し、南米市場への積極展開、TPM活動推進による生産性向上・コストダウンなども推進する。
印刷インキ(欧州)は、売上高が前期比6.4%増の9,921百万円、営業損失が同690百万円(2018年12月期は791百万円の損失)としている。生産・販売体制再編を推進し、販売数量増加による増収効果で営業損失が縮小する。なお期初計画に対しては、売上高は上振れるが、増産に伴うコスト増加で営業損失は拡大する見込みだ。重点施策として生産体制再編による拡販と効率化を推進し、2020年12月期黒字化を目指している。
機能性材料は、売上高が8.9%増の前期比13,264百万円、営業利益が同10.5%減の1,094百万円としている。おおむね期初計画水準の増収減益予想である。需要は好調に推移するが、市場環境・競合環境による製品ミックス悪化や販売価格低下、原材料価格上昇などで減益見込みである。重点施策として、インクジェットインキではプリンターメーカーとの関係強化、グローバルな生産・販売体制の強化、産業用途への拡大、カラーフィルター用顔料分散液では高品質製品の市場投入、レジストメーカーとの関係強化、新規ディスプレイ用発光材料の開発、ディスプレイのフィルム化・IoT発展に貢献する新規材料群の研究、機能性コーティング剤ではエネルギー・光学・エレクトロニクス系コーティング分野への参入を推進する。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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