ピアラ Research Memo(2):業界特化型マーケティング支援企業で、成果にコミットするKPI保証が特徴(1)

配信元:フィスコ
投稿:2019/09/24 15:02
■会社概要

1. 会社沿革
ピアラ<7044>は、2004年に現代表取締役の飛鳥 貴雄(あすか たかお)氏が資本金100万円で有限会社ピアラとして創業したのが始まりとなる。飛鳥氏は創業前に大手外資系アパレルのトリンプ・インターナショナル・ジャパン(株)に在籍しマーケティング部門を統括していたが、もともと独立志向が強く、アパレルを自身で立ち上げたいとの想いで学生時代の友人ら3名とともに会社を立ち上げた(創業メンバー全員、現在も同社で活躍している)。

創業当初は、前職時代の経験を活かして紙媒体のカタログにチラシを同封するビジネスモデルでスタートし、2008年からWebマーケティングのサービスを開始する。現在のECカートシステムである「RESULT EC(リザルトイーシー)」やアフィリエイトASP「RESULT PLUS(リザルトプラス)」などがそれだ。「RESULT PLUS」についての初代版のみ開発は外部委託したが、「RESULT EC」や2012年に開発するAI搭載マーケティングオートメーションツール「RESULT MASTER(リザルトマスター)」などその後のプラットフォームは全て自社で開発している。

デジタルマーケティング支援を展開していくなかで、これらのソリューションは多くの企業が開発・提供していたことから、同社は差別化を図るためソリューションを無料にし、クライアント企業に対して成果(新規顧客獲得、リピート受注の獲得等)にコミットすることで成果報酬を獲得するKPI保証サービスを開始する。クライアント企業が1年かけて販売していた商品を3ヶ月で完売させたり、ヒット商品を創出するなど結果を出し続けることでクライアント企業からの評価も高まり、成長軌道に乗せていった。

また、同社は顧客ターゲットとして、SNSなどデジタルメディアと親和性の高いB&Hや食品分野の通販企業に特化して事業展開を進めているが、同様にこれら分野においては高い費用対効果が得られる対面型マーケティングにも注力しており、2018年9月には全国に約2万局ある郵便局の広告指定代理店となり、局内での実演販売や悩み相談等も行っている。

なお、創業の目的の1つであったアパレル事業については、2009年に「Marblee(マーブリー)」ブランドを立ち上げたが、2016年に事業譲渡を行い撤退しており、その後はマーケティング支援事業に特化して事業拡大を進めている。また、2012年に比亞莱集団有限公司が同社の全株を取得し、比亞莱集団有限公司を親会社とする持株会社体制に移行しているが、これは当時、日本の株式市場の環境が思わしくなかったため、香港市場への株式上場を目指していたためで、外部の資本が入ったわけではない。その後、日本の市場環境も好転し、日本で株式上場を目指す方針に切り替えたため、2014年に持株会社体制を解消している。その後、2018年12月に東証マザーズ市場への上場を果たしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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