10日の米国市場ダイジェスト:米国株はまちまち、ECB理事会を控えてポジション調整の動き

配信元:フィスコ
投稿:2019/09/11 07:46
■NY株式:米国株はまちまち、ECB理事会を控えてポジション調整の動き

米国株式相場はまちまち。ダウ平均は73.92ドル高の26909.43、ナスダックは3.28ポイント安の8084.16で取引を終了した。12日に欧州中央銀行(ECB)理事会での金融政策発表を控えて、ハイテク株など持ち高調整の売りが先行。しかし、米中通商協議において米農産物の購入拡大を議論していることが伝わり下値も限られ、引けにかけてダウは上昇に転じた。セクター別では、電気通信サービスや銀行が上昇する一方で商業・専門サービスや消費者・サービスが下落した。

検索大手のアルファベット(GOOGL)が独占禁止法違反に抵触したとして米50州・地域が調査に乗り出したことが報じられ、SNSのフェイスブック(FB)、ネット小売のアマゾン(AMZN)が下落した。自動車大手のフォード(F)は、格付会社のムーディーズが同社格付を下方修正し軟調推移。ファストフードのウェンディーズ(WEN)は、全米店舗での朝食メニュー提供に伴うコスト増加で、通期見通しを下方修正し大幅下落。一方で、通信大手のベライゾン(VZ)は、シティ・グループによる買い推奨を受け上昇した。携帯端末のアップル(AAPL)は、本日の新製品発表イベントで定額制映像配信サービス「Apple TV+」を11月1日より月額4.99ドルで提供すると発表した。Mac, iPad, iPhone, Apple TVなどの同社製品を購入すれば、1年分の料金を無料とする計画も発表し、同市場で競合となるネットフリックス(NFLX)やディズニー(DIS)の株価が下落している。

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■NY為替:米大幅利下げ観測後退でドル強含み

10日のニューヨーク外為市場でドル・円は、107円19銭まで売られた後に107円59銭まで上昇し、107円54銭で引けた。米7月JOLT求人件数が予想を下回ったためドル売りが強まったが、「米中通商協議で中国は米国農産品の購入拡大を提案する」との報道や米連邦公開市場委員会(FOMC)は大幅な利下げに踏み切る可能性は低いとの見方が浮上し、ドル買い・円売りが強まった。

ユーロ・ドルは、1.1031ドルまで下落後、1.1052ドルまで反発して1.1042ドルで引けた。欧州中央銀行(ECB)は12日開催の理事会で大規模な緩和を発表するとの思惑がユーロ売り圧力となった。ユーロ・円は、118円27銭から118円79まで上昇。ポンド・ドルは、1.2339ドルから1.2375ドルまで上昇。ジョンソン英首相が10月31日に欧州連合(EU)離脱する意思を再表明したことから、やや上げ渋った。ドル・スイスは、0.9889フランから0.9923フランまで上昇した。


■NY原油:小幅安で57.40ドル、米長期金利上昇を受けて利食い売りが増える

NY原油先物10月限は小幅安(NYMEX原油10月限終値:57.40 ↓0.45)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物10月限は前日比−0.45ドルの57.40ドルで通常取引を終えた。時間外取引を含めた取引レンジは57.20ドル−58.76ドル。米長期金利の上昇を受けて58ドル台で利食い売りが観測された。原油在庫が先週比で多少増加するとの思惑も原油先物の上値を抑えたようだ。


■主要米国企業の終値

銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)

バンクオブアメリカ(BAC)  29.35ドル   +0.72ドル(+2.51%)
モルガン・スタンレー(MS) 43.58ドル   +0.47ドル(+1.09%)
ゴールドマン・サックス(GS)215.63ドル  +3.65ドル(+1.72%)
インテル(INTC)        51.82ドル   +0.23ドル(+0.45%)
アップル(AAPL)        216.70ドル  +2.53ドル(+1.18%)
アルファベット(GOOG)    1206.00ドル +1.59ドル(+0.13%)
フェイスブック(FB)     186.17ドル  -2.59ドル(-1.37%)
キャタピラー(CAT)      130.29ドル  +3.04ドル(+2.39%)
アルコア(AA)         20.83ドル   +0.53ドル(+2.61%)
ウォルマート(WMT)      116.05ドル  -0.28ドル(-0.24%)
スプリント(S)         6.87ドル   -0.04ドル(-0.58%)

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