調子に乗っていると、「手痛いしっぺ返し」を食らう…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/08/06 10:25

◆リスク回避再燃 - さらに下値を拡大

※ご注意:予想期間は8月7日と表示されていますが、本日(8月6日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「米中リスク」から派生する「株安の連鎖」、さらに昨日は「2008年3月来の7.00元超への人民元安」も重なったことで、“リスク回避姿勢”はさらに深化しました。
ドル円は東京タイム中盤に“105.786円”まで下値を拡大し、その他クロス円通貨も軒並み下落しました。

しかしその後は緩やかに“下げ渋り”に転じ、昨日記した「Brexitショック(2016/6/24安値:99円水準)-フラッシュクラッシュ時(1/3安値:105円水準)”を結ぶトレンドライン(概ね106.00-20円水準)」付近へと戻していきました。
そしてその後は、NYダウが急落しても“膠着”を続けたこともあり、「このまま東京タイムにつなぐか?」にも思われました。
しかしながら今朝方の「中国を為替操作国に指定」という米財務省発表を機に、“リスク回避姿勢”は再燃…。
ドル円は“105.517円”へとさらに下値を拡大するに至っています。

◆「イメージは下方向」は否めないが…?

いわゆる「フラッシュクラッシュ時の真空地帯」に当たるため、下値メドを探るとすれば“1/3当社安値(105.089円)/1/3Bloomberg安値(104.960円)”等、“105円ライン”まで見当たらないのが実状です。
しかし昨日は「NYダウ急落でも膠着」という動きを見せています。
これは“下落往き過ぎ”を示唆する動きであり、“底打ち”か否かは別にして、少なくとも“自立反発”は期待できる局面といえます。

リスク回避を再燃させた「中国を為替操作国に指定」にしても、「対中関税第4弾」をすでに発動していることを考えれば、“サプライズ”とはいい難いところもあります。
「イメージは下方向」に傾斜しているのは否めませんが、そろそろ警戒しておかないと「手痛いしっぺ返し」を食らうことにもなりかねないだけに、注意しておきたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:106.968(8/1~8/6の38.2%押し、大台)
上値4:106.679(8/5高値)
上値3:106.519(ピボット1stレジスタンス)
上値2:106.413(8/1~8/6の23.6%押し)
上値1:106.199(-2σ)
前営業日終値:105.992(大台)
下値1:105.786(8/5安値)
下値2:105.626(ピボット1stサポート
下値3:105.259(ピボット2ndサポート)
下値4:105.089(1/3当社安値)
下値5:104.960(1/3Bloomberg安値、大台)

10:39 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想