“無風通過”の前評判は覆った…!? - 米雇用統計

著者:武市佳史
投稿:2019/08/02 10:42

◆「トランプ大統領発言」で急落…

※ご注意:予想期間は8月3日と表示されていますが、本日(8月2日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


まさか、このタイミングで跳び出すとは…。

「過度な利下げ観測」はさらに巻き戻され、ドル円は“109.315円”へ上値を伸ばす場面が見られました。
しかしながら「弱めの米経済指標(ISM製造業景気指数は2016年8月以来の51.2に低下)」、さらには「『対中関税第4弾発動』を示唆するトランプ大統領発言」が、流れを一変させました。

「米議会の夏季休暇入り直前(上院開催は本日2日まで、下院はすでに夏季休暇中)」のタイミングで跳び出した「対中関税発言」は、まさに“サプライズ”といえます。
このためマーケットは“パニック”を起こし、米10年国債利回りは“急低下(2.05%⇒1.87%)”、NYダウも“続落(△280ドル)”する中、ドル円は一気に“107.200円”へと突き落とされました。

◆基本は「パニックの波及具合」と「米中絡みの続報」だが…?

こうした中、本日は米雇用統計が行われます。
FOMC直後ということもあり、一部では“無風通過”も囁かれていましたが、こういう展開になると“注目せずにはおれない”といった展開が想定されるところです。
なぜならFOMCを経て“年2回:70%超”へと巻き戻されていた「年内利下げ観測」が、現時点では再び“年2回:25.5%/年3回:48.2%/年4回以上:23.1%”と戻ってしまっているからです。
このため米雇用統計の結果次第では、再び“巻き戻される”あるいは“さらに進行する”といった可能性が否めないことになります。

本日の基本となるのは「パニックの波及具合」と「米中絡みの続報(報復の有無)」ということになりますが、「米雇用統計で揺れ動く」もいつも以上に警戒しておきたいところです。
事前予想は「非農業部門雇用者数(NFP:+16.4万人)/失業率(3.7%)/平均時給(前月比:+0.2%/前年同月比:+3.1%)」ですので、まずはここからの“乖離具合”を注目しながら…。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:108.372(8/1高値後の61.8%押し)
上値4:108.232(50/20日移動平均線)
上値3:108.036(日足・一目均衡表先行スパン下限/転換線/基準線、週足・一目均衡表転換線、8/1高値後の50%押し、大台)
上値2:107.790(8/1高値後の38.2%押し)
上値1:107.640(-1σ)
前営業日終値:107.372
下値1:107.207(7/18-19安値、8/1安値)
下値2:107.093(6/26安値-2σ)
下値3:107.000(大台)
下値4:106.774(6/25安値、1/3安値後の押し目)
下値5:106.670(1/3~4/24の76.4%押し※、ピボット1stサポート)

10:58 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想