「為替条項」のヘッドラインにも注目
■先週は、今週のFOMCにおいて利下げ幅の縮小、0.5%ではなく0.25%の可能性が高まったことを背景に、米国の債務上限の適用停止が合意したこと、
更に米中通商協議が再開したことで過度なリスク回避が抑制され、107円台から108円台に上昇しました。
■さて、今週は以下のことに注目したいと考えています。
・FOMCの利下げ幅やその後のパウエル議長のコメント
・米雇用統計
■まず、市場が注目していたFOMCがいよいよ今週30日-31日に開催されます。
すでにIMMの金利先物での7月会合での0.50%の確率は大幅に低下したことで、0.25%の「予防的措置」という利下げになるのではないかとみています。
もし、この0.25%を覆す0.5%の利下げが行われれば、ネガティブサプライズになることは確実だとみています。その場合はドル売りが優勢の展開になるので警戒したいです。
その他、注目のポイントは、その後のパウエル議長によるコメントです。
次回9月以降の追加利下げの行方です。
直近(6月)の雇用統計や小売売上高、PPI、CPIが軒並み予想を上回り、先週末の米4-6GDPが若干下がったものの、それほど悲観数字でもないことが判明しました。
その結果を受けて株価は堅調に推移しています。
■しかし、気がかりなのが米製造業の景気指数です。
ISM製造業景況指数においては、米中関税の影響を受けているせいなのか、分岐点である50ポイントスレスレの水準に落ち込んでいます。
更に米国の投資や準貿易が1-3月期から悪化してマイナスに転じているところが気がかりです。その意味では9月の追加利下げも可能性としては残っているのではないかとみています。
■そのカギを握るのが次の米雇用統計になります。
前回6月の雇用統計においては5月分の発表を完全に払拭する結果となりました。
20万人を超えたことで米景気は依然として完全雇用を示した格好になっています。
しかし、現在の結果はこのまま続くこともなく、むしろ再開された米中通商協議の行方が気になるところです。
もし追加関税が課せられればその影響は必ず大きく跳ね返ってきます。トランプ大統領の狙いとするところは、来年の大統領選までには何らかのカタチは残したい思惑とみています。勿論、日米通商交渉においても同様のことが言えます。
先週まで事務レベルで交渉していた日米通商交渉ですが、結果的にはお互いの隔たりが大きく、先送りになっているもののその溝の深さは露呈したとみています。
この後の日米首脳会談も8月ないし9月になるのではないかとみています。
その際に気を付けたいのがやはり「為替条項」です。中国や欧州にはすでに牽制しているものの、日本も同様に注目対象なだけに、今後のヘッドラインにも注目です。
■最後に、ドル円のテクニカル面です。
日足チャートをみると先週は完全に戻り相場になり、結果的にレンジ相場になってしまいました。
移動平均50日線は突破したものの、水平線でみると109円が強い抵抗線になるのではないかとみています。
109円台で積極的に売りを仕掛けくる建玉も多くなりそうです。