■中長期成長戦略
1. 中長期の成長戦略と新中期経営計画『SSG 2021』の概要
グローセル<9995>は中長期的な持続的成長実現のために、一定の期間を区切ってその時々の重点取組テーマと道標たる業績計画を定めた中期経営計画を策定している。今般同社は、2020年3月期~2022年3月期までの3ヶ年中期経営計画として、持続的成長可能な企業を目指す『SSG 2021』を策定した。
『SSG 2021』のネーミングは、「Semiconductor(半導体)とSensor(センサー)でGlobal(グローバル)にGrowth(成長)する」に由来している。これまでの同社の主力商材であるSemiconductorに加えてSensorという新商材を中期経営計画に冠したことは、この新商材の成功に自信を深めている表れと弊社では考えている。
『SSG 2021』では、これまで同社が強いこだわりを見せてきた売上高1,000億円の目標が、新中計3年間の業績計画から外れている。2019年3月期実績により発射台が下がり、かつ米中貿易摩擦激化のなかで、1,000億円が簡単な目標ではなくなっていることは事実だ。しかし、同社が1,000億円の目標を掲げなかったのは、いずれ1,000億円の売上高に到達する目途が立ち、この3年間の目標として無理に掲げる必要がなくなったから、というのが真相だと弊社ではみている。
そのシナリオの中核が新商材である半導体ひずみセンサー『STREAL』だ。現状のロードマップ上は、2022年3月期ころに大きく花を咲かせる見通しとなっている。新中期経営計画『SSG 2021』の3年間は、その準備を着実に進めるための“基盤づくりの3年間”という位置付けだ。
同社の中長期の成長戦略の骨格は従来からまったく変わりはない。技術系エレクトロニクス商社としての同社は、ルネサスエレクトロニクス製半導体の拡販を主軸に、独自に開拓した新規ビジネス品のソリューション提案で中長期の成長を目指すということがその内容となっている。『STREAL』はそこに追加された3本目の柱ということになる。『STREAL』への期待が高いのは、同社がファブレスメーカーとして機能することで、他の商材に比べて高い利益率が期待できるからだ。したがって、事業における同社の取り組み事項もまた、従来から変わってはいない。各項目の進捗状況や今後の事業展開の詳細については後述する。
同社の事業への重点取り組み事項
1. ルネサスエレクトロニクス製品の売上、デザイン−インの強化・推進
2. 新規ビジネス品のシステムソリューション提案
3. 新商材STREAL事業の確立
4. 国内・海外の連携強化による海外ビジネスの拡大
5. 特約店との連携強化による一体となった営業活動強化
6. 最新IoT/ADAS(先進運転支援システム)技術取り組みとワンストップソリューションの強化
出所:決算説明会資料
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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1. 中長期の成長戦略と新中期経営計画『SSG 2021』の概要
グローセル<9995>は中長期的な持続的成長実現のために、一定の期間を区切ってその時々の重点取組テーマと道標たる業績計画を定めた中期経営計画を策定している。今般同社は、2020年3月期~2022年3月期までの3ヶ年中期経営計画として、持続的成長可能な企業を目指す『SSG 2021』を策定した。
『SSG 2021』のネーミングは、「Semiconductor(半導体)とSensor(センサー)でGlobal(グローバル)にGrowth(成長)する」に由来している。これまでの同社の主力商材であるSemiconductorに加えてSensorという新商材を中期経営計画に冠したことは、この新商材の成功に自信を深めている表れと弊社では考えている。
『SSG 2021』では、これまで同社が強いこだわりを見せてきた売上高1,000億円の目標が、新中計3年間の業績計画から外れている。2019年3月期実績により発射台が下がり、かつ米中貿易摩擦激化のなかで、1,000億円が簡単な目標ではなくなっていることは事実だ。しかし、同社が1,000億円の目標を掲げなかったのは、いずれ1,000億円の売上高に到達する目途が立ち、この3年間の目標として無理に掲げる必要がなくなったから、というのが真相だと弊社ではみている。
そのシナリオの中核が新商材である半導体ひずみセンサー『STREAL』だ。現状のロードマップ上は、2022年3月期ころに大きく花を咲かせる見通しとなっている。新中期経営計画『SSG 2021』の3年間は、その準備を着実に進めるための“基盤づくりの3年間”という位置付けだ。
同社の中長期の成長戦略の骨格は従来からまったく変わりはない。技術系エレクトロニクス商社としての同社は、ルネサスエレクトロニクス製半導体の拡販を主軸に、独自に開拓した新規ビジネス品のソリューション提案で中長期の成長を目指すということがその内容となっている。『STREAL』はそこに追加された3本目の柱ということになる。『STREAL』への期待が高いのは、同社がファブレスメーカーとして機能することで、他の商材に比べて高い利益率が期待できるからだ。したがって、事業における同社の取り組み事項もまた、従来から変わってはいない。各項目の進捗状況や今後の事業展開の詳細については後述する。
同社の事業への重点取り組み事項
1. ルネサスエレクトロニクス製品の売上、デザイン−インの強化・推進
2. 新規ビジネス品のシステムソリューション提案
3. 新商材STREAL事業の確立
4. 国内・海外の連携強化による海外ビジネスの拡大
5. 特約店との連携強化による一体となった営業活動強化
6. 最新IoT/ADAS(先進運転支援システム)技術取り組みとワンストップソリューションの強化
出所:決算説明会資料
(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)
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