【これからの見通し】きょうは米国関連のイベント多い、小売売上高、パウエル講演、金融機関決算など

著者:MINKABU PRESS
投稿:2019/07/16 15:43
【これからの見通し】きょうは米国関連のイベント多い、小売売上高、パウエル講演、金融機関決算など

 週明けのマーケットはドル安水準で始まったあと、ややドル高方向へと調整が入る動きとなっている。市場では7月の米FOMCでの0.25%利下げをほぼ織り込んでいる状況。0.5%利下げ観測については一連のイベントを経て後退している。7月利下げを見込んだドル安や株高の相場展開は熟してきているようにも見える。このような中で、ドル安や株高にある程度の調整が入る可能性も指摘されよう。

 きょうは米国関連のイベント予定が多い。経済指標発表は、小売売上高(6月)、輸入物価指数(6月)、鉱工業生産および設備稼働率(6月)、企業在庫(5月)、対米証券投資(5月)などが発表される。注目度の高いのは、小売売上高と鉱工業生産だろう。小売売上高は前月比+0.1%、自動車除く前月比+0.2%と予想されており、いずれも前回の+0.5%からは伸びが鈍化する見込み。鉱工業生産は前月比+0.1%とこちらも前回の+0.4%から伸び悩む見込み。ただ、設備稼働率は前回並みの78.1%が維持される見込みとなっており、生産が縮小する兆候はみられないようだ。

 米金融当局者の講演やイベント参加予定も目白押し。ボスティック・アトランタ連銀総裁、ボウマンFRB理事、カプラン・ダラス連銀総裁、パウエルFRB議長、エバンス・シカゴ連銀総裁などの発言機会が予定されている。ただ、米FOMCを2週間後に控えて、発言内容は具体的な金融政策については踏み込まない可能性もある。パウエル議長に関しては、「ポスト危機時代の金融政策の見方」とのテーマでのあいさつとなっている。カプラン総裁やエバンス総裁の講演では質疑応答もあるもよう。

 また、きょうは米金融機関などの決算発表が多い一日。JPモルガン、ゴールドマンサックス、ウェルズファーゴなどとともにJ&Jの決算発表が予定されている。昨日はやや伸びを欠いた米株式市場だが、きょうも高値更新を狙うのかどうか。米企業決算発表の内容が注目されている。

 このあとのロンドン・欧州市場では、トルコ失業率(4月)、英ILO雇用統計(3-5月期)、ドイツZEW景況感指数(7月)、ユーロ圏貿易収支(5月)などが発表される。英雇用統計では賃金の伸びが注目されそうだ。賞与を除く前年比は+3.5%と前回の+3.4%から伸びが加速する見込み。ドイツZEW景況感指数は-22.0と前回の-21.1から一段と低下する見込み。また、欧州議会では次期欧州委員長に指名されたフォンデアライエン氏の議会採決が実施される予定。密室で決められた候補だと各方面から批判を受けているが、すんなりと承認されるのかどうかが注目される。
 
minkabu PRESS編集部 松木秀明

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