■7月16日(火)■円高を見ながら盛り上りを取り戻す株式市場

著者:堀篤
投稿:2019/07/16 08:42

上げるべき週に上げられなかった日経平均

■上げるべき週に上げられなかった日経平均

今週は、いよいよ東京市場がボックス圏を脱するか否か、ポイントの週になりそうだ。先週は、7月16日から始まる株式売買決済期間の短縮(3営業日が2営業日に)に関連する売買高減少に加え、テクニカル的な要因、さらに円高など不透明要因が重なり、東京市場は盛り上がりに欠ける展開となった。
ここ何十年も変わらなかった株式売買の受渡期日が変わる、ということは、株式市場、それに関連する決済システムをすべて変更することになる。とはいえ、筆者は、その影響で売買高がここまで減少するとは思えないが、それでも実際に先週の東京市場は、周囲の環境とも相まって、参加者不在となってしまった。
テクニカル的には、200日移動平均線が下値をサポートし、下降波動中の上値を結ぶ傾向ラインが上値抵抗線となってもちあいとなる展開だ。米国市場の好調さから考えれば、この上値抵抗線を突破して然るべきだろう。


■米国市場は予想通り、史上最高値へ

先週、米国市場は、前週の雇用統計が強い数値であったがために、市場では、利下げ期待が後退し、調整傾向を見せていた。しかし、10日、11日のパウエルFRB議長の議会証言によって、利下げへの期待は復活し、NY市場は3連騰を演じ、史上最高値を更新している。
この動向は、先週のコラムで予想した通りの展開だったが、東京市場は、これに反応することができず、日経平均は、従来のボックス圏の上限に張り付いたまま終わった。

日経平均はシステム復活などによる売買高の戻りによって、22000円を抜ける展開が考えられる一方で、先週と同じように上値が重いようだと、今度は一旦下へ振れるリスクが生じる。チャンスの裏はピンチだ、ということだ。そして、その可能性も十分にある。
その要因は為替だ。
NY市場の上昇原因が利下げにあるだけに、ドルが下落するのは当然の流れだと言える。先週のドル円は、108円を割れる展開となっており、6月24日の107円ちょうど近辺を目指すようだと、日経平均上昇の妨げになるだろう。
中期的には日米貿易物品交渉、消費税増税の影響、中国景気の動向、など、難問が多いため、銘柄選別は、消去法的な選別をせざるを得ないだろう。しかし、余剰資金は大きいだけに、今月後半は、銘柄選択的確であれば、パフォーマンスを上げるチャンスになるはずだ。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想