■ランドコンピュータ<3924>の会社概要
(3) パッケージベースSI・サービス
成長分野の柱としてシステム・パッケージベンダとアライアンスを組み、場合によってはパッケージの提供を受け、顧客へソフトウェアパッケージ製品(Salesforce、COMPANY、SuperStream等)の導入支援、カスタマイズ、アドオン開発、保守、運用までを行い、トータルサービスを提供する。同サービスラインの売上高構成比は2015年3月期の7.5%から2019年3月期では14.6%に高まった。
a) クラウドコンピューティングのメリット
同社が注力しているのは、クラウドコンピューティング・サービスになる。クラウドコンピューティング(クラウドシステム)とは、従来は手元のコンピュータで管理・利用していたようなソフトウェアやデータなどを、インターネットなどのネットワークを通じてサービスの形で必要に応じて利用する方式。そのメリットとして、俊敏性、拡張性、経済性、可用性、省力化、セキュリティ、リスク低減が挙げられる。自前のIT部門を持ってシステムを維持管理する必要がない。クラウドコンピューティングは、費用、知識、技術力、人材などの面でユーザのITシステム導入のハードルを下げた。一方、ユーザのITリテラシーの不足から、システムに対する要求がコスト面から現実的でない、もしくは要求が定まらず変更が多い、または多くのカスタマイズを必要とするなどのことが起こりがちになる。そのため、ITサービス会社にとって、業務知識や顧客、特に企業トップに対する交渉力、提案力が重要になる。
b) Salesforceの販売パートナー
同社は、2010年4月よりSalesforceとのビジネスを開始し、2016年11月には販売パートナー契約を締結した。これまで300社を超える数多くのSalesforce導入実績及び、1,500件を超える顧客からのオーダーをこなしてきた。多業種・多業務に対応したカスタムアプリケーションの提供による顧客の導入支援をしている。業種としては、損保、保険代理店、大学、専門学校、塾・予備校、製造業(食品、機器、部品、ソフトウェア等)、飲食、卸売業、小売業、専門商社、アパレル、印刷・出版業、不動産、人材派遣、インターネットサービス、法律事務所、施設運営などがある。若手社員を投入・育成しているため一時的に成長が鈍化しているが、需要は強く、中長期的な高成長を目指す。
2019年1月期に1兆4,900億円の売上高を計上した米Salesforceは、次の4年間でそれを倍増させる計画を発表した。設立翌年の2000年に最初の国際拠点として日本へ進出している。国内企業のデジタル変革を支援するため、日本における従業員数を現在の1,500人から2024年までの5年間で3,500人に増員する計画でいる。2021年下半期には、東京・丸の内にあるオフィスビルのビジネスフロアーを1棟借りして「Salesforce Tower Tokyo」を開設する予定だ。
4. プロジェクト管理
同社は2017年3月期に不採算プロジェクトが発生して、減収減益に陥った。2017年3月期の152百万円の経常減益の要因として、2017年3月期発生の大口赤字プロジェクトの損失(-95百万円)、受注損失引当金の増加(-26百万円)、減収による売上総利益の減少(-33百万円)と販管費増(-85百万円)が挙げられた。2018年3月期は、その再発を防ぐため、一時的に新規受注を抑え、プロジェクトマネジメント(PM)の体制を強化した。経常利益は前期比71百万円増加した。その増減要因は、2018年3月期発生の大口赤字プロジェクトの損失(-81百万円)が上半期まで残り、減益要因となった。しかし、PM体制の強化の効果が表れ、不採算案件減少によるプロジェクト利益率の改善(+159百万円)と受注損失引当金の減少(+32百万円)が大きな増益要因となり、PM強化に伴う人件費増(-33百万円)と販管費増(-23百万円)を吸収した。2019年3月期の赤字プロジェクトは1件にとどまり、大幅増益をもたらした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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(3) パッケージベースSI・サービス
成長分野の柱としてシステム・パッケージベンダとアライアンスを組み、場合によってはパッケージの提供を受け、顧客へソフトウェアパッケージ製品(Salesforce、COMPANY、SuperStream等)の導入支援、カスタマイズ、アドオン開発、保守、運用までを行い、トータルサービスを提供する。同サービスラインの売上高構成比は2015年3月期の7.5%から2019年3月期では14.6%に高まった。
a) クラウドコンピューティングのメリット
同社が注力しているのは、クラウドコンピューティング・サービスになる。クラウドコンピューティング(クラウドシステム)とは、従来は手元のコンピュータで管理・利用していたようなソフトウェアやデータなどを、インターネットなどのネットワークを通じてサービスの形で必要に応じて利用する方式。そのメリットとして、俊敏性、拡張性、経済性、可用性、省力化、セキュリティ、リスク低減が挙げられる。自前のIT部門を持ってシステムを維持管理する必要がない。クラウドコンピューティングは、費用、知識、技術力、人材などの面でユーザのITシステム導入のハードルを下げた。一方、ユーザのITリテラシーの不足から、システムに対する要求がコスト面から現実的でない、もしくは要求が定まらず変更が多い、または多くのカスタマイズを必要とするなどのことが起こりがちになる。そのため、ITサービス会社にとって、業務知識や顧客、特に企業トップに対する交渉力、提案力が重要になる。
b) Salesforceの販売パートナー
同社は、2010年4月よりSalesforceとのビジネスを開始し、2016年11月には販売パートナー契約を締結した。これまで300社を超える数多くのSalesforce導入実績及び、1,500件を超える顧客からのオーダーをこなしてきた。多業種・多業務に対応したカスタムアプリケーションの提供による顧客の導入支援をしている。業種としては、損保、保険代理店、大学、専門学校、塾・予備校、製造業(食品、機器、部品、ソフトウェア等)、飲食、卸売業、小売業、専門商社、アパレル、印刷・出版業、不動産、人材派遣、インターネットサービス、法律事務所、施設運営などがある。若手社員を投入・育成しているため一時的に成長が鈍化しているが、需要は強く、中長期的な高成長を目指す。
2019年1月期に1兆4,900億円の売上高を計上した米Salesforceは、次の4年間でそれを倍増させる計画を発表した。設立翌年の2000年に最初の国際拠点として日本へ進出している。国内企業のデジタル変革を支援するため、日本における従業員数を現在の1,500人から2024年までの5年間で3,500人に増員する計画でいる。2021年下半期には、東京・丸の内にあるオフィスビルのビジネスフロアーを1棟借りして「Salesforce Tower Tokyo」を開設する予定だ。
4. プロジェクト管理
同社は2017年3月期に不採算プロジェクトが発生して、減収減益に陥った。2017年3月期の152百万円の経常減益の要因として、2017年3月期発生の大口赤字プロジェクトの損失(-95百万円)、受注損失引当金の増加(-26百万円)、減収による売上総利益の減少(-33百万円)と販管費増(-85百万円)が挙げられた。2018年3月期は、その再発を防ぐため、一時的に新規受注を抑え、プロジェクトマネジメント(PM)の体制を強化した。経常利益は前期比71百万円増加した。その増減要因は、2018年3月期発生の大口赤字プロジェクトの損失(-81百万円)が上半期まで残り、減益要因となった。しかし、PM体制の強化の効果が表れ、不採算案件減少によるプロジェクト利益率の改善(+159百万円)と受注損失引当金の減少(+32百万円)が大きな増益要因となり、PM強化に伴う人件費増(-33百万円)と販管費増(-23百万円)を吸収した。2019年3月期の赤字プロジェクトは1件にとどまり、大幅増益をもたらした。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)
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