■要約
ソフト99コーポレーション<4464>は、カーワックスや洗浄剤、補修材などのカー用品の大手。グループ会社で展開するポーラスマテリアル事業は半導体製造装置の洗浄、吸水用途の部材において高シェアを持つ。2018年3月期より新中期経営計画を始動。自動車市場における事業環境変化に対応し既存事業における業界シェアを確保しつつ、新市場・新規事業の創出に取り組んでいる。
1.2019年3月期業績
2019年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.9%増の24,561百万円、営業利益で同8.3%減の2,518百万円と増収減益決算となった。売上高は業務用ファインケミカル製品やポーラスマテリアル事業等が拡大したほか、2018年秋の大型台風上陸により、自動車整備・鈑金需要が特需的に伸張したことが増収要因となった。一方、営業利益については、人件費増や設備増強に伴う減価償却費増、原材料の上昇等が減益要因となった。ただ、期初会社計画(売上高24,000百万円、営業利益2,200百万円)に対しては、いずれも上回って着地した。
2.2020年3月期業績見通し
中期経営計画最終年度となる2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.8%増の25,000百万円、営業利益で同0.7%減の2,500百万円を見込む。自動車整備・鈑金事業が特需の一巡で減少するものの、女性ドライバーの増加等、市場環境の変化に対応した新商品の拡充を進めていくほか、乗用車向けTPMS(タイヤ空気圧監視装置)の販売開始、海外向け製品の拡販に取り組むことで5期連続増収となる見通し。一方、利益面では将来の成長に向けた人材投資や設備投資、研究開発投資を継続するほか、業務効率化に向けた情報システム投資を計画していることもあって減益を見込んでいる。
3.中期経営計画の進捗状況について
2020年3月期を最終年度とする中期経営計画では、経営環境の大きな変化を事業拡大のチャンスと捉え、新市場の開拓や新製品の開発等に取り組み、将来の持続的な成長に向けた事業基盤を構築する期間と位置付け各種施策に取り組んできた。TPMSや生活用品企画販売事業など一部の事業の成長ペースが想定を下回るものの、ファインケミカル事業における海外市場の開拓や新商品開発、ポーラスマテリアル事業における新規市場(医療分野等)の開拓は着実に進んでおり、今後の成長が期待できる状況になってきている。また、2020年3月期の経営数値目標(売上高25,000百万円、営業利益2,700百万円)に対して、営業利益を200百万円引き下げたが、これは人件費や研究開発費、情報システム投資等の増加が主因となっており、2021年3月期以降、これらの投資効果が顕在化することで利益も増益基調に転じるものと弊社では予想している。
4.株主還元策
株主還元については、安定的な配当の継続を基本方針とし、目安としては連結営業利益の20%としている。2020年3月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の24.0円を予定しており、配当性向(配当金÷営業利益)で20.8%の水準となる。このため、今後営業利益が拡大し配当性向で20%を下回れば、増配または自己株式の取得が期待できることになる。
■Key Points
・2019年3月期は固定費の増加で減益となるも、全ての事業セグメントで増収を達成
・2020年3月期も将来の成長に向けた投資を継続し、業績はほぼ前期並みの水準となる見通し
・現中期経営計画での成果は着実に出始めており、2021年3月期以降、新規市場・新規事業の育成による収益拡大に期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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ソフト99コーポレーション<4464>は、カーワックスや洗浄剤、補修材などのカー用品の大手。グループ会社で展開するポーラスマテリアル事業は半導体製造装置の洗浄、吸水用途の部材において高シェアを持つ。2018年3月期より新中期経営計画を始動。自動車市場における事業環境変化に対応し既存事業における業界シェアを確保しつつ、新市場・新規事業の創出に取り組んでいる。
1.2019年3月期業績
2019年3月期の連結業績は、売上高で前期比4.9%増の24,561百万円、営業利益で同8.3%減の2,518百万円と増収減益決算となった。売上高は業務用ファインケミカル製品やポーラスマテリアル事業等が拡大したほか、2018年秋の大型台風上陸により、自動車整備・鈑金需要が特需的に伸張したことが増収要因となった。一方、営業利益については、人件費増や設備増強に伴う減価償却費増、原材料の上昇等が減益要因となった。ただ、期初会社計画(売上高24,000百万円、営業利益2,200百万円)に対しては、いずれも上回って着地した。
2.2020年3月期業績見通し
中期経営計画最終年度となる2020年3月期の連結業績は、売上高で前期比1.8%増の25,000百万円、営業利益で同0.7%減の2,500百万円を見込む。自動車整備・鈑金事業が特需の一巡で減少するものの、女性ドライバーの増加等、市場環境の変化に対応した新商品の拡充を進めていくほか、乗用車向けTPMS(タイヤ空気圧監視装置)の販売開始、海外向け製品の拡販に取り組むことで5期連続増収となる見通し。一方、利益面では将来の成長に向けた人材投資や設備投資、研究開発投資を継続するほか、業務効率化に向けた情報システム投資を計画していることもあって減益を見込んでいる。
3.中期経営計画の進捗状況について
2020年3月期を最終年度とする中期経営計画では、経営環境の大きな変化を事業拡大のチャンスと捉え、新市場の開拓や新製品の開発等に取り組み、将来の持続的な成長に向けた事業基盤を構築する期間と位置付け各種施策に取り組んできた。TPMSや生活用品企画販売事業など一部の事業の成長ペースが想定を下回るものの、ファインケミカル事業における海外市場の開拓や新商品開発、ポーラスマテリアル事業における新規市場(医療分野等)の開拓は着実に進んでおり、今後の成長が期待できる状況になってきている。また、2020年3月期の経営数値目標(売上高25,000百万円、営業利益2,700百万円)に対して、営業利益を200百万円引き下げたが、これは人件費や研究開発費、情報システム投資等の増加が主因となっており、2021年3月期以降、これらの投資効果が顕在化することで利益も増益基調に転じるものと弊社では予想している。
4.株主還元策
株主還元については、安定的な配当の継続を基本方針とし、目安としては連結営業利益の20%としている。2020年3月期の1株当たり配当金は前期比1.0円増配の24.0円を予定しており、配当性向(配当金÷営業利益)で20.8%の水準となる。このため、今後営業利益が拡大し配当性向で20%を下回れば、増配または自己株式の取得が期待できることになる。
■Key Points
・2019年3月期は固定費の増加で減益となるも、全ての事業セグメントで増収を達成
・2020年3月期も将来の成長に向けた投資を継続し、業績はほぼ前期並みの水準となる見通し
・現中期経営計画での成果は着実に出始めており、2021年3月期以降、新規市場・新規事業の育成による収益拡大に期待
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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