ネックラインを越えられるか…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/07/01 10:22

◆108円台回復 - ただし“上値の重さ”も目立つ…

※ご注意:予想期間は7月2日と表示されていますが、本日(7月1日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


注目の米朝首脳会談は、「米中貿易戦争は一旦停戦」で合意しました。
これは事前に観測報道が流れていたこともあり、“想定通り”といえます。
しかし「(米企業の)一部製品のファーウェイ向け輸出容認」は“サプライズ”であり、週明けマーケットは“リスク先行姿勢”に振れています。
「米朝の電撃会談」もこうしたイメージを後押ししている印象があり、ドル円は“108円台”を回復しています。

一方で「越えるべきハードル(知的財産権等)」は依然として高く、「対中制裁関税第4弾の延期時期」にも触れられていませんでした。
このため“巻き戻しの域を出ない”との見方は少なくなく、ギャップアップ(上方向への窓空け)を演じた割に“上値の重さ”も目立っています。
このため「懸念の一つが剥落」したのは事実ですが、それで「底打ち⇒反発」と見るのはまだ早計といえるかもしれません。

◆テクニカル的なポイントは「ネックライン(108.70-80円)突破の有無」

ファンダメンタルズ的なポイントは「米利下げ観測の行方」となりますが、テクニカル的には「ネックライン(108.70-80円)突破の有無」となります。
そして前者が「米経済指標を一つ一つ確認」という作業へと回帰するのに対して、後者は「流れ一つ」といえます。
“巻き戻しの域を出ない”としても、突破できれば…?

“上値の重さ”が目立ちますので“楽観は禁物”ですが、期待を持って「経済指標動向(中Caixin製造業PMI&米ISM製造業景況指数等)」、そして「株価&債券利回り動向」を確認したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

注:週所オープニング(窓空けスタート)を勘案し、いつもより範囲を拡げています。

108.922(4/24~6/25の38.2%戻し)
108.868(週足・一目均衡表転換線)
108.798(6/11高値、6/17高値)
上値5:108.614(6/19高値)
上値4:108.532(+1σ)
上値3:108.349(日足・一目均衡表基準線、ピボットハイブレイクアウト)
上値2:108.161(6/27高値、ピボット2ndレジスタンス)
上値1:108.070(20日移動平均線、大台、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:107.902(6/28高値)
下値1:107.694(日足・一目均衡表転換線、ピボット1stサポート)
下値2:107.560(6/28安値、-1σ)
下値3:107.468(6/25~6/27の50%押し、ピボット2ndサポート)
下値4:107.304(6/25~6/27の61.8%押し、ピボットローブレイクアウト)
下値5:107.149(-2σ)
107.093(6/26安値)
107.000(大台)
106.774(6/25安値、1/3安値後の押し目)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:40 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想