日本ライフL Research Memo(3):全国をカバーする販売体制と充実した研究開発・製造拠点

配信元:フィスコ
投稿:2019/06/27 16:03
■事業概要

2. メーカー商社というユニークな業態
販売体制としては、北海道から沖縄まで日本全国47の営業拠点と2つの物流拠点(羽田ロジスティックスセンター、関西ロジスティックスセンター)があり(2019年3月末)、高度な専門知識を持ったスタッフが各地で医療関係者のサポートを行っている。日本ライフライン<7575>の販売先は医療機関と販売代理店であるが、医療機関への直接販売はわずかで、多くが販売代理店を通じての販売となっている。同社の営業担当者は医療機関への製商品情報の提供などの専門的業務に専念する一方、商品在庫の補充や販売にかかる事務などは販売代理店の協力を得るなど、効率的な営業形態を取っている。

同社はメーカーでもある。現在、国内に研究開発拠点(リサーチセンター)と3ヶ所の製造拠点(戸田ファクトリー、小山ファクトリー、市原ファクトリー)を有し(2019年3月末)、ガイドワイヤーやEPカテーテル、アブレーションカテーテルなど医療現場のニーズに合った独自製品を開発・製造している。また、同社はM&Aによる自社製品の拡充も進めてきた。2009年に当時国内メーカーとして唯一人工血管を製造していた(株)ウベ循研(JUNKEN MEDICAL(株)に改称)を買収し、人工血管を自社製品として取り込んでいる。2010年にはガイドワイヤーやバルーンカテーテルを製造するSynexMedグループ(香港・深セン)を子会社化した。なお、2017年4月に、開発・製造におけるシナジーや効率化を見込んで、JUNKEN MEDICALを同社に吸収合併している。


高収益の源泉はオンリーワン製商品にある
3. 収益構造
仕入商品については、欧米を中心とする海外メーカーと独占販売契約を締結し、同種の医療機器であれば原則1社の商品だけを取り扱っている。独占販売契約が可能なのは、同社がメーカーでもあるためで、海外メーカーにとってみれば日本においてメーカーとしてすべきことを同社に任せることできるからである。つまり、国内における薬事承認の取得や円滑に医療機器を普及させるための学会などを通じたマーケティング、医療機関などへの教育といったメーカーとしての業務を、同社が海外メーカーに代わって行っている。商品を医療機関に預けて使用された時点で売上計上する預託販売という医療機器業界に特有の商習慣から、販売代理店にはない在庫負担が生じる。複数メーカーの製品を同時に取り扱い2次流通を担う販売代理店の売上総利益率が20%程度と言われるなか、同社の仕入商品の売上総利益率は、こうした事業形態により平均40%~50%と高い水準である。また、オンリーワン製品を含む同社自社製品の売上総利益率は、およそ70~80%とさらに高くなっている。したがって、同社の営業利益率は医療機器業界の中でも非常に高い水準となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

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