「様子見ムード」が復活…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/06/26 11:02

◆リスク回避が先行 - 一時“106.80円割れ”

※ご注意:予想期間は6月27日と表示されていますが、本日(6月26日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


「米利下げ観測」のみでは“底堅いと見ましたが、昨日はこれに「(投機筋の)仕掛け的な動き」が加わりました。

 『イラン最高指導者・外相・革命防衛隊に金融制裁発動』
 『日米安保は不平等、破棄する可能性』
 『中国大手3行、米金融システムから遮断の可能性』

「リスク回避」を囃す動きは相次ぎ、“6/21安値(107.047円)”を割り込んだドル円は、一時“106.80円割れ”まで売り込まれました。

◆しかし「(過剰な)米利下げ観測」は幾分後退 - ショートカバーで巻き戻し

一方「少なくとも日米安保に関しては“飛ばし記事”」との見方が強まるにつれて、“下げ渋り”に転じました。
こうして“フラッシュクラッシュ後の押し目(106.742円)”“1/3~4/24の76.4%押し(106.670円)”を割り込むには至らず、注目の「米FRB要人発言」を迎えました。

 『次回FOMCで50bpの利下げは不要(ブラード・セントルイス連銀総裁)』
 『金融緩和の必然性を精査しているが、過剰に反応しない(パウエルFRB議長)』

「(過剰な)米利下げ観測」は後退、「(投機筋の)仕掛け的な動き」には“ショートカバー”が入り、“107.40円水準”へと巻き戻されていきました。

◆こうなると「仕掛け的な動き」は手控えられる…?

想定外の“荒れた一日”となりましたが、最終的には“元居たレンジ”に押し戻されました。
「米利下げ観測」が払拭された訳ではないことから“上値の重さ”は否めませんが、金利先物における“織り込み過ぎ”は明らかになりつつあります。
…となれば、主要イベントを控えた「様子見」が復活する可能性は高く、昨日のような「(投機筋の)仕掛け的な動き」も手控えられる公算も高いと考えます。
逆に“織り込み過ぎ”を調整する動きが本格化すれば…?

引き続き「107円割れ(昨日割りましたの、さらなる下値窺いになりますが…)」が意識されるものの、「107円前半~半ばで揉み合い」も続くと見たいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:107.977(6/17~6/25の61.8%戻し、大台)
上値4:107.733(6/21高値、6/17~6/25の50%戻し、日足・一目均衡表転換線、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:107.534(6/24高値、-1σ、6/17~6/25の38.2%戻し)
上値2:107.407(6/25高値、ピボット1stレジスタンス)
上値1:107.283(6/25戻り高値後の61.8%戻し)
前営業日終値:107.156
下値1:107.000(大台、6/25安値後の61.8%押し)
下値2:106.904(-2σ)
下値3:106.774(6/25安値、1/3安値後の押し目、ピボット1stサポート)
下値4:106.670(1/3~4/24の76.4%押し※)
下値5:106.479(ピボット2ndサポート)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:21 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想