マーケットとの温度差が露呈する…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/06/19 11:01

◆一転して“下値追い”も、“巻き戻される”…

※ご注意:予想期間は6月20日と表示されていますが、本日(6月19日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“買い戻し不発”の影響もあり、昨日は“下値追い”が緩やかに進行しました。
そして「欧金融緩和観測」を背景にした“ユーロ円下落”、「新潟で発生した地震」から派生する“リスク回避⇒円買い”もあり、NYタイム序盤には“108.060円”へ下落する場面も見られました。

しかし“下値追い”もここまで…。
その後は「米中懸念緩和(米中首脳会談の開催を合意)」を背景に、急速に“巻き戻され”ていきました。
「パウエルFRB議長解任を模索」報道から再び“押し下げ”られる場面もありましたが、結局は元居た“108円半ば水準”にて発表の日を迎えています。

◆動意づくか?否か?は“発表次第”…?

“FOMC待ちムード(様子見)”は続いていますので、動意づくか?否か?は“発表次第”ということになりそうです。
そしてポイントとなるのは
 「政策金利(利下げの有無)」
 「ドットチャート(前回見られなかった利下げ見通しの浸透具合)」
 「声明(「忍耐強く」の取り扱い)」
 「パウエル議長の記者会見(ハト派への傾斜具合)」
の4つですが、金利先物から見た「政策金利」の織り込み度は“わずか20%強”に留まっています。
利下げならば“ネガティブサプライズ”ですが、普通に考えれば“据え置き(利下げ見送り)”でしょうから、実際のポイントは3つということになります。

◆ただ“溜め込んだ変動エネルギー”を吐き出す可能性は十分…!?

これまでマーケットは“前のめり気味”に利下げを織り込んできましたので、“据え置き”のみでも買い戻される可能性はあると考えますが、
その上“3回利下げまでは見ていない”“「忍耐強く」が残る”“思ったほどハト派に寄らない”のどれか一つでもあると…?

“溜め込んだ変動エネルギー”を吐き出す可能性は十分…。
“決め打ち”は禁物ですが、本日は「マーケットとの温度差が露呈するリスク」を中心に、神経質なマーケットと対峙したいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:109.243(5/21~6/5の50%戻し、日足・一目均衡表基準線)
上値4:109.119(5/30~6/5の61.8%戻し)
上値3:109.000(大台、ピボット2ndレジスタンス)
上値2:108.906(5/21~6/5の38.2%戻し、5/30~6/5の50%戻し)
上値1:108.798(6/11高値、6/17-18高値、20日移動平均線、ピボット1stレジスタンス)
前営業日終値:108.428(月足・一目均衡表先行スパン下限)
下値1:108.339(日足・一目均衡表転換線)
下値2:108.169(-1σ、ピボット1stサポート)
下値3:108.060(6/18安値、6/7~6/11の76.4%押し水準、大台)
下値4:107.880(6/7安値)
下値5:107.771(1/10安値、6/5安値、1/3~4/24の61.8%押し※、ピボット2ndサポート)

注:1/3安値をReuters/Bloomberg安値の104.90円水準で設定

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

12:13 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想