■6月17日(月)■今週は、一度しゃがんでからの小反発か

著者:堀篤
投稿:2019/06/17 08:40

テクニカルを重視する市場に

■テクニカルを重視する市場に

 先週の東京市場は底堅さを見せ、20300円というゾーンを死守したことがいかに大きいかを改めて示した形となった。今週は週初めに調整したとしても、反発する可能性は高い。6月3日、4日の20300円近辺が底値である、という考え方は継続されている上、20900円近辺のマド埋めと15日移動平均線がほぼ同じ水準にあることから、この価格帯は、短期的に反発しやすいゾーンだと言えるだろう。ただし、18日19日に開かれるFOMCのコメントで緩和的な発言が抑制された場合は、株価は再び20300円程度まで落ちる可能性がある。しかしメインシナリオは、月曜日20900円程度まで調整した後の反発で、21300円程度までの上昇、というパターンだ。
株式市場を巡る材料は、ここへきて複雑化の様相を呈しており、投資家は余計にテクニカルの動きを重視する傾向が強まる可能性が高い。市場の不確実性は高まっているが、そのことがかえって相場を単純化するかもしれない。

■米国REITと上海市場に着目

中東の地政学リスク、中国景気の低迷、という悪材料に対して、米国経済への信頼、という好材料をどう組み合わせて判断すべきか、市場は迷い始めている。そこで、米国REITと上海株式市場に注目し、この二つを東京市場の先行指標として参考にしよう、という投資家が増えてきた。これは、米国経済と中国景気の動向、という二つの材料に、投資判断を集約する、という考え方だ。
米国REITは先週、ボックス圏を抜け出し、上昇の気配を見せている。一方で上海株式市場はボックス圏を移動中だ。前者が明白な上昇傾向を示せば、NY市場、引いては東京市場にプラス要因であり、上海市場がボックスを下へ抜ければ、これは両者にとって悪材料となるだろう。
堀篤
日本マネジコ、東京スコットマネジメント代表取締役
配信元: 達人の予想