いまは「リスク回避の深化度合い」を確認する段階…!?

著者:武市佳史
投稿:2019/06/04 10:17

◆“米利下げ観測⇒ドル売り”が再燃

※ご注意:予想期間は6月5日と表示されていますが、本日(6月4日)の東京・欧州・NY市場の値動きを想定した記述となります。


“リスク回避⇒円買い”は幾分緩んだものの、今度は“米利下げ観測⇒ドル売り”が再燃しました。

ブラード・セントルイス連銀総裁は「貿易懸念は不透明感、米景気減速を予想以上に深くする可能性」と指摘し、「下振れリスクに対応するには、早期利下げが必要となる可能性」と述べました。
金利先物から見た6月利下げの織り込み度合いは“およそ40%”へと急上昇、米10年国債利回りが“17年9月来の2.06%”へ低下する中、ドル円は“1月10日来の107.88円”へと下値を拡大しました。

◆トレンドは下方向、懸念も頭をよぎるが…?

次々と湧き出る「悪材料」、「地合いの悪さ」も鮮明とあっては、「往くところまで往ってしまわないと…」になりかねないのは事実です。
しかし“108.10-00円の分厚いドル買いオーダー”をこなした割に、大きく崩れていないのも事実です。
“実需絡みのドル買い”が下値を支えているからですが、それ以上に冒頭で記した“リスク回避姿勢の緩み”が効いていると考えるのが自然です。
このためリスク回避を囃した“円買いポジション”が巻き戻される可能性はまだ残っているだけに、金利動向と共に株価動向を睨みつつ、「リスク回避の深化度合い」を注意深く確認する必要がありそうです。

まだ「いったん撤退」との見方は変わりませんので「往くところまで往ってしまわないと…」との懸念は頭をよぎりますが、調子に乗っていると「痛いしっぺ返し」を食らう可能性には注意しておきたいところです。

◆ドル円 抵抗・支持ライン

上値5:108.946(5/21~6/3の38.2%戻し、5/30~6/3の50%戻し、ピボットハイブレイクアウト)
上値4:108.661(5/30~6/3の38.2%戻し、ピボット2ndレジスタンス)
上値3:108.444(6/3高値)
上値2:108.366(月足・一目均衡表先行スパン下限、5/30~6/3の23.6%戻し、ピボット1stレジスタンス)
上値1:108.193(-2σ)
前営業日終値:108.063
下値1:107.881(6/3安値)
下値2:107.771(1/10安値、1/3~4/24の61.8%押し※、ピボット1stサポート)
下値3:107.510(1/4安値、ピボット2ndサポート)
下値4:107.252(ピボットローブレイクアウト)
下値5:107.000(大台)

※ユーロ円やユーロドルなど、他の通貨ペアの抵抗・支持ラインは〔一週間の為替市場を分析!マーケット・チェックWebセミナー〕にて公開中。

10:33 ドル円 抵抗・支持ライン追加
武市佳史
株式会社マネーパートナーズ チーフアナリスト
配信元: 達人の予想