―あなたならどれを選ぶ? 上昇ロードを駆ける「本命」「対抗」「穴」特選3銘柄―
2019年相場も10連休が明ければ早くも折り返し点が意識される。年後半相場でも個別株テーマ物色の動きは引き続き活発となることが予想される。株式市場を賑わす投資テーマは数多くあるが、そのなかでも投資家の熱い視線が注がれ、ここから一段と注目度が高まりそうな「キャッシュレス決済」「5G」「MaaS」の3テーマを選出。それぞれのテーマで有力視される個別銘柄を本命・対抗・穴株として3銘柄ずつエントリーした(5月4~6日にかけて1日1テーマで3日間にわたり掲載)。令和相場でスタートダッシュが期待される有望株に注目だ。
テーマその2<5G>
総務省は4月10日、NTTドコモ <9437> 、KDDI <9433> 、ソフトバンク <9434> 及び楽天 <4755> グループの楽天モバイルの通信キャリア4社に、次世代通信規格「5G」に必要な電波を割り当てることを発表した。これを受けて、各社は2020年春から順次5G通信の運用を開始する予定で、年度末までには全ての都道府県において、5G高度特定基地局の運用を開始する予定という。
5Gは通信速度が従来の4Gの100倍となる「超高速」や、通信の遅れが少ない「超低遅延」、一度に多くの機器をネットにつなげることができる「多数同時接続」などが特徴。これにより、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を支える社会基盤が実現することになる。
通信キャリア4社は、今回、割り当てが決まった電波を使うための特定基地局などの設備投資として、24年度までに合わせて約1兆6600兆円を投じる予定だ。さらに、5Gによって誕生する本格的なIoT社会では、通信インフラ需要だけでなく、自動運転やロボット、セキュリティー、ゲーム、医療などさまざまな業種で新たなビジネス機会が創出されることになり、関連する銘柄の裾野も広がりそうだ。
【本命】アンリツ
アンリツ <6754> は通信系計測器を手掛ける世界的メーカーで、早くから5Gの投資拡大を見据えた取り組みを進めている。目先決算発表を受け下押した場面は買い場となる可能性がある。2016年にはチャネル・エミュレーター(無線伝搬環境を提供する機器)に強みを持つ米アジマスシステムを子会社化。17年5月にはマルチキャリア信号の一括解析を実現したシングルアナライザ「MS2850A」を、18年2月にはチップセットや端末などの開発用テスタであるラジオ コミュニケーション テストステーション「MT8000A」を発売、これらが今後収益化する段階を迎え中期的な成長力に変化はない。
【対抗】コムシスHD
コムシスホールディングス <1721> は通信設備工事のリーディングカンパニーで、NTT系が売上高の約5割を占める。5Gでは基地局の整備などを手掛ける通信インフラ事業が大きく伸びる見通し。また、さまざまな企業にICTソリューションを展開しているITビジネス事業や、防炎システムなど社会システム関連事業を推進する社会基盤事業にとっても5Gビジネスの拡大は追い風。通信建設業界は参入障壁が高く、かつ寡占的であるため、日本全国に展開している同社は高度情報通信化の恩恵を受けるポジションにある。
【穴】キョウデン
キョウデン <6881> [東証2]は試作開発に強みを持つプリント配線基板メーカー。無線通信、ワイヤレス給電、センシング、小型化などに関する技術開発を進めることで、さまざまなモノがインターネットに接続する社会を支えている。5G向けでも長野工場を拠点に同規格に対応した電子基板の開発を進め、商機を獲得するための布石に抜かりはない。7月17~19日にかけて東京ビッグサイトの青海展示棟で開催される「第2回 5G/IoT通信展」に出展する予定で、5G対応の曲がる基板などが注目を集めそうだ。
株探ニュース
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